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2012/01/08

One Purposeを借景にして、合宿ゼミナールを行なってきた

Photo_18宿を出て、地下鉄四条駅へ向かう。ずっと西へ西へたどると、駅に到達する前に、六角堂がある。立て札によると、聖徳太子に由来する古いお寺だそうだ。六角堂の名前のごとく、本堂部分が六角形となっていて、建物のどちらから観ても、同じ様相を持っていて、綺麗な形を保持している。

Photo_19平安京でも、中心地区に当たるところだから、飛鳥時代から続いて平安遷都を乗り越えて続いてきたものと思われる。当然ながら、時代が経るにしたがって、土地は削られて今日に至っていると思われる。まわりは、すべて近代的なビルに囲まれていて、おそらく庭園だったところも、他に取られ、本堂だけの今日の姿になっていると思われる。時代のなかで生き延びてきた秘訣は何なのかと想像してみることは可能だ。

ひとつは、時の勢力、時の文化と結びつくことである。政治勢力との結合は相当行われたことだろう。それから、後者のほうでは、池坊の起源に関わっているという記述もあり、まわりに、生花の道具を売る店がぐるっと並んでいる。何が驚くことなのかといえば、このような文化的な中核がちょっとした街歩きで、すぐに見つかるという点である。

Photo_20地下鉄に乗って、今出川へ出る。同志社の門をくぐれば、すぐに煉瓦作りの古い建物群が並んでいて、これに魅せられて、この大学へ入る人が居ても不思議はないだろう。それほど、魅力的な建物群だ。しかも、今回この建物群のなかの一室を借りてのゼミナールの開催だ。H先生に昨年はお世話をいただいたが、今回はN先生にすっかりご厄介になってしまった。ここを借りて、御礼申し上げる次第である。

Photo_21ゼミナールの様子は、N先生の観察に表れていて、いつも感心する。「今回のゼミナールには例年になく、優秀な方々が参加していて・・・」というところで、学生の方が「ホントですか」と質問すると、空かさず「けれども、そのなかの何人かの方は、最後まで続くか本当に心配しています・・・」と続けられたのだ。笑いを取っていたが、その笑いが失笑なのか、嘲笑なのかは確認しなかった。

Photo_22内容は、今年度は世情を反映して、金融問題が多かった。けれども、バブルの問題を扱う時代が過ぎてきていて、規制緩和から規制強化の時代を感じさせる傾向を感じさせるものだった。グローバリゼーション問題も陰に陽に、すべての方々の問題に影を落としていた。そして、その副作用は貧困問題にも及んでいて、このゼミナールで提起されている問題がすべて結びついてしまうかのような、つまり、何でも関係付けてしまう精神病に侵されたかのような状況均質的な状況に陥ってしまう、錯覚に囚われた。

Photo_23恒例の懇親会は、昨年と同じ、同志社大学の学生会館内にある素敵なレストランで行われた。大理石の大テーブルは健在で、写真のように、対岸とちょうど声の届く範囲での大きさを保持している。このような大テーブルが存在するということが、グループ性を保つためには必要な道具だと思われる。N先生のゼミナールでは、この大テーブルを利用するそうだ。頭の上には、同志社大学の校歌が刻まれた照明があり、校風を受け継いでいく工夫がなされている。全国大学のラグビー大会のときに聞いた覚えのあるフレーズ「One Purpase Doshisha」をN先生が口ずさんでくださった。

Photo_24すべて借り物であったのは残念だったが、最近富みに、地域主義・共同体主義的な傾向をゼミナールが持ってきていることを考えれば、放送大学の中にも、ちょっと違ったものでも良いから、このような時代をつなぐ工夫があるべきではなかろうか、すこし思った次第である。放送なので、空中に存在するという、空しい在り方もひとつの伝統だといえなくもないが、実在には勝てない部分があることを認め、今回のようなゼミナールを開くことの重要性をもっと認めることも時には、必要かもしれない。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。