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2011/11/20

箱根の紅葉直前

Photoうちの近くに、毎年この季節になると、真赤なモミジが咲く。この谷間に住む人たちの目を奪ってきた。ところが、今年に限っては、葉っぱが枯れてしまい、茶色の無惨な姿を見せている。なぜ今年だけ枯れてしまったのかは、諸説はあるがハッキリとはわからない。

それでも、紅葉を見たいということで、妻が箱根の寮を予約した。遅い紅葉の季節を迎えている山に入った。といっても、旅行というよりは、出かけたというくらいのものである。車を運転するのであれば、半日のレジャーというところだろうが、バスであっても一時間ちょっとの小旅行を楽しむ。仙石原まで横浜から、高速バスが出ていて、御殿場周りで箱根に入ってくる。

Photo_3バス自体は、たいへん空いていて、羽田から直行してきた様子の中国人の労働者グループが最大の人数を構成していた。グローバル化もここまで来ているのかというところだ。Photo_4仙谷原から徒歩で、ポーラ美術館を目指す。昨日の強い風と、豪雨とで、道には濡れた落ち葉が散らばっていた。美術館でのお目当ては、藤田嗣治展でポーラ美術館が日本最大の所有をほこっているらしい。

Photo_5今日の一枚は、「理想の住宅」と題された、あくまで想像力の練習として、ミニチュアが作られ、絵画に描かれたものを挙げたい。Photo_10レンガの床と、藤田特有の壁の白地が良くあっていると思う。台所と居間と寝室が一体となっていて、一日中、絵を描くことができる部屋だ。階段で、居間と寝室を区切っていて、この世界の切り分け方も、理想的だ。けれども、明らかに全体的に膨らんだ、余裕部分が過剰に含まれていて、これが藤田の世界を表していると思われる。ここで、写真を掲げられないのは残念だが、興味のある方はまだ時間があるので、ぜひ足を運んだらいかがでしょうか。

Photo_12ちょっと外れると、現代版のイラストと間違えてしまう絵画もあった。何が絵画で、何がイラストかということは、藤田の絵画を見ていくと、明らかになるかもしれない。Photo_14子供を使った職業尽くしは、面白い切り口だと思われる。職業の特徴を捉えて、描いているという点からみると、イラストだといえなくもない。けれども、子供の世界に置き換えていて、現実世界をずっと乗り越えてしまっている。現実世界をの想像を超えていて、一つの象徴世界まで到達している。Photo_15たとえば、石炭運搬人を描いている。頭から黒い布で、運搬袋を背負っている。顔は幼く、辛さよりも楽しさが全面に出ていて、仕事の観念をひっくり返している。こうなってくると、これは絵画ということになるだろう。

Photo_17このあと、美術館を出て、周りを見て歩くが、やはり紅葉は部分的に見られるだけだ。自然のリズムが明らかに今年は狂っている。バスで強羅へ出るが、駅に近づくに連れて、夥しい人びとが道に出ていて、それは深く街を歩くことができなくて、表面的な道に観光客が出ているだけだ、といってしまえば、そのとおりだが、それにしても、駅の人波は紅葉の遅延と同時にかなり異常な状態を醸し出していた。Photo_18駅には、昼に大量に押し寄せたらしい。それで、電車待ちの人びとを規制した標識がまだ片付けられずに放置されていた。ケーブルから降りてきた客で満員の登山電車に乗って、大平台へ向かう。

Photo_20近くの酒屋へ寄ると、甲州のY葡萄酒がおいてあったので、直ちに購入する。Photo_21また、「見る工場」という、箱根特産の寄木細工店があって、オリジナルだというマグネットと、最後に逆転するコマを購入する。

Photo_23この宿は、箱根の谷にせり出していて、多くの家屋が林に隠れ、ほとんど人家が見えない。奥深い谷に面していて、眺望最高の場所であった。Photo_24


例年であれば、当然紅葉は、最高度にたっしているはずであるのだが、今年はまだまだだ。大浴場から、紅葉間近の山を眺め、自然の微妙な采配に思いを寄せながら、一日を終えた。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。