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2011/10/16

青リンゴと夕陽と富士山と

Photo_7午前中の仕事がうまく行ったので、葉山へ行くことにする。妻が数日前から、天気が良かったら海を見に行こうと誘っていた。

昨日は強風が吹き、雨が夜中まで降っていた。それで、天気が心配だったのだが、昼になる頃には、気温が27度まで上がって、天気は回復した。Photo_8すこし夏に逆戻りした感じだ。日差しが強いので、腕の隠れる服装をした。

けれど、風はさらっと肌を撫でていくことから、秋の風であるとわかる。つまりは、あつくもなく、寒くもなく、良い季節だ、ということである。

Photo_9いつものように、家を出て、30分くらいで、逗子へ着く。話しながら、バス停へ向かうが、惰性で歩いていたので、通り過ぎてしまったらしい。振り返ると、海岸まわりのバスが出発したところだった。

Photo_11仕方なく、さらに、十分待つ。京急の新逗子駅はいかにもリゾートだ、というような駅舎構えで、三浦半島の観光地図も近くに掲げられていた。妻は時間があれば久里浜のコスモスも見たいなどと、相変わらず距離感のない空間的欲望を、ずっと午前中から言っていたのだが、この地図を見て、ちょっとは思い直してくれただろうか。

Photo_12先日きた時に、山口蓬春記念館の年間会員になっていた。今日は、今回の企画展「北海道と蓬春」の最終日だったのだ。前回もそうだったが、ここの企画では下絵の展示が、本物と一緒にあるのが特徴だ。そこで、いつも思うのだが、画家の下絵というのは、感情がこもっていて、むしろ本物を超えていることがあるように思う。

Photo_14今日の一枚というならば、リンゴの絵だ。毎年、様々なところから、りんごが送られてきたそうだ。秋田の青りんごを描いた絵は、同系色の調和を狙ったもので、グリーンの配置が素晴らしかった。評論家の言葉が添えられていた。山口蓬春には乱れがない、と。これは、わかりやすい言い方だとおもわれる。表面的には、乱れはないように見える。安定した仕事をたくさん残したと思う。もちろん、内面は見ることができないという前提のもとであるが。

Photo_18奥の部屋に飾られた、やはりもう一つの、青りんごの図も良かった。こちらは鉛筆画に、淡い水彩が乗せられただけの未完成の魅力を見せるものだった。

北海道というテーマでは、アイヌの模様が模写されていた。一見、単純な左右対称の唐草的顔模様なのだが、細い線で加えられた重層的な非対称線が描きこまれていて、複雑をいかにシンプルに見せるのか、という練習を行なったかのような一枚だ。Photo_19玄関を出て、裏山に通ずる林を振り返ると、鳶が山腹に沿って、弧を描いて、吹き上げてくる風を楽しんでいた。

Photo_21いつもの県立美術館脇の小径を抜けて、海に出る。この気温のせいだろうか。サーファーたちが極めて多く、一色海岸全体に展開していた。波は荒く、天気は良く、風は少々強い。日本の海岸特有の小波を捉えて、数十メートルほどのサーフィンを、あたかも無窮動のように、サーファーたちは楽しんでいた。

妻は、相変わらず海を見ていると、びくとも動かない。Photo_22海岸に座り込んで、時間のない世界に入っていた。


Photo_24仕方ないので、海岸へ降りる階段に陣取って、カメラを繰っていたのだが、それも飽きてしまって、散歩者の人びとを見ていた。

Photo_48海と風と、そして心地良さとが、すっと流されて、ちょっと先を漂っている感じだ。Photo_50

荷物の中にいれてきたコーヒーを急に思い出し、一服ついた。

座り込んだ時には、まだまだ太陽は空の上の方にとどまっていたのだが、目を瞑って、顔全体を海の方へ突き出し、想いに耽っていたら、何時の間にか、陽が傾き始めていた。Photo_31
Photo_51その頃までには、何回か、もう少しと言われていて、まだまだ動く気配を見せなかった妻も、ようやく腰をあげた。

Photo_34県立葉山公園に着く頃には、もうすこしだ、ということで、夕陽の沈むのをみようということになり、公園の階段に陣取る。


Photo_36なぜか外国人のバイオリン弾きがいたのだが、彼女が低音の音楽を奏でているうちに、すっかり陽は落ちた。Photo_38


それと共に、それまでは、富士山は霞の彼方にあり、輪郭のはっきりしないものだったのだが、後ろから照らされて、くっきりとした影を浮かび上がらせていた。Photo_40







Photo_45思いも掛けない、夕陽ショーに立ち会い、何時間もの海の眺めと、心地良い強い風と、なにもかも十分に堪能した、今日一日だった。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。