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2010/04/28

「神と人間」という設定

映画産業が左前になると、聖書の物語か、ギリシャ神話を出してくれば、大概はヒットする、という法則性をおっしゃっていたのは、高校時代のA先生だった。それで高校時代には、チャールトン・ヘストン主演の創世記だったか、ノアの箱舟だったかに全校生徒を連れて行ってくれた。

高校生まで総動員できれば、映画産業も息を吹き返すだろう。わたしの高校生時代の法則性が現代でも通用するとは思わないが、たびたびファンタジーものがロードショーにかかるのは、このような意味があるのだと思われる。

映画「タイタンの戦い」が掛っている。ギリシア神話の全能の神ゼウス一族の物語だ。たぶん、キリストの物語と同じように、これまで何度もテキストなどで読んできた物語だが、父と子の物語としては、秀逸な神話だと思う。子がなぜ父から独立しなければならないのかが、ヨーロッパ合理の精神で明快に語られている。

父と子のモデルでは、オイディプス神話が有名で、父と子は対立するものだということで、説明されてきたが、それ以外にもモデルがあって、ゼウスとパーシウスとの関係はもっとポジティブな感じがする。おそらく、この親子関係の解説書はたくさん出ているので、それに任せるとするが、ひとつのピグマリオンモデルであることは間違いない。父が神で、その神が人間を創ったにもかかわらず、子である人間が自ら選択を行うというのは、いかにも合理主義的なヨーロッパモデルであり、このモデルがまずあって、それからあとで、オイディプスモデルが出てきたのではないかと、わたしは思う。

それにしても、タイタン族の主導権争いは大変だな、と人ごとながら、失礼、神事ながら思った次第である。メドゥーサは、ちょっとイメージが違うんだけれど、多めに見ることにしよう。CGという技術が現れたことで、映画の幅がぐっと広がった分野のひとつだと思われる。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。