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2010/03/01

春の目眩

春の目眩が起きる季節をむかえている。毎年、花粉症で紛らわされているのだが、確実にこの季節には、目眩が生ずるのだ。それは、身体全体の疲れを反映しているのだと、わたしは思い込んでいる。熱が出たり、だるさが襲ってきたりする。

昨年の仕事が忙しいときほど目眩の影響を受けるから、周期的にあらわれるのはほぼ間違いないと思われる。だいたい、テキスト1冊程度が標準とすると、それより多くなってくると、この春の目眩が出てくるのだ。だから、200枚程度、つまり10章程度の仕事だと、影響があらわれない、という感じがする。

妻はパソコンによる眼精疲労ではないか、と言うのだが、首筋から頭にかけての痛みは疲労だとしても、頭のなかのぼんやりとした感じは、目眩の症状だと思われる。これは、身体全体から来ていると思われる。

このような目眩の季節は、いずれ家にいても、外に出ていても、気分は勝れないので、きょうは思い切って、家族4人で三浦半島へ出かけることにした。娘が幸いにも就職出来たことへの感謝の祭りとしての意味もある。息子もアルバイトなどで忙しかったが、ようやく暇になったらしく家にいる。

当初は、横須賀美術館から観音崎灯台をめぐって、観音崎ホテルのバイキングという案があったのだが、美術館が毎月第一月曜日がお休みで、天候が昨日の雨、さらに今夜の雨が予報されていて、海の近くは荒れるのではないか、ということで、山のほうを目指すことにした。

京急線を利用している者にとっては、昔から気になる駅がある。「YRP野比駅」である。このYRPとは何だ、と言うことが、小さな頃からいつも話題に上るのだ。それで、子供たちはクイズを出し合って、情報を共有しているからすぐわかるのだが、わたしたちの世代は突如として現れた名称に、以前は戸惑うばかりであった。

100301_132001 今回、このYRPのなかに、京急ホテルが経営する、尖がり屋根を持った1軒家レストランがあって、山奥にもかかわらず評判を呼んでいるというので、赤い電車を乗り継いでいくことにする。おそらく乗用車のある家族であれば、このような機会は多いのだろうけれども、自慢するほどではないにしても、我が家では免許を持っている者がひとりもいないのだ。

100301_134501 それで、また駅からバスも出ているので、乗ればよいところ、天気も回復してきて、ハイキング日和になってきたこともあって、歩いていこうということになり、おしゃべりしながら、自動車を肩越しに見ながら、道を登ったり、トンネルを通過したりして、丘の上に開けた街、YRP(Yokosuka Research Park)へ着く。その奥に水辺公園という、野鳥観察用に開発した沼地が整備されていて、その池のほとりにレストランは建っていた。

野菜がたっぷりのランチコースで、サラダを山盛りにして食べた。メインは肉や魚、イタリアンなどの選択制になっていた。幸いにも、20人くらいのパーティと一緒になったにもかかわらず、窓際の真ん中の席を取ることができて、ゆったりとした食事を取ることが出来た。

三浦半島へは、子供たちが小さな頃から何度も連れてきていて、首都圏に住んでいて、海と山の趣味を満喫できるところが近くにあるという、仕合わせを享受してきた。とくに野菜には縁が深く、海水浴に行って、スイカの大群に出くわしたり、三浦大根をはじめとした、丘での農作物を購入したりしてきた。今回の野菜も、あの道の途中、おばあさんが自分の畑の横で売っていたあの野菜なのだろうか、と想像しながら食した。野菜レストランという発想は、なかなか今風で良いと思った。

相変わらず、このような場所を占めているのは、90%が女性である。ウィークデイのランチをこのようなところで食べることが出来るのは、そうなのかもしれない、と思った。

しかし、何事にも例外はあって、このYRPには、NTTの名だたる研究所があり、それをめぐって、NEC、富士通、パナソニックなどの電気通信企業が進出してきている。近代的なビルをそれぞれ建てている。そこから来たのだろうか、中年の背広姿の男性が隅の席で、ひとりでランチを召し上がっていた。おそらく、単身赴任で来て、研究所に泊り込んでも、ときどきこのレストランに来れば、たっぷりとした野菜を取ることができる、という発想だろうか。

わたしの少ない海外経験からすると、このような雰囲気の場所には、必ずベジタリアンの食堂があって、結構賑わっていた。それは、多くの肉食食堂が並んでいるからであって、ぽつんと野菜レストランというのは、やはりすこし寂しい。ちょっと気分をかえて、天空の世界を垣間見たいときには、お勧めのレストランである。

帰りも、もちろんバスをやり過ごして、梅の花が香る道をくだった。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。