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2010/03/18

湖畔の散歩

Haikei ホテルは、いわゆるレイク・ヴューである。昔、レイク・ヴューの家は、1等地だ、という話を聞いて、世俗的な欲望を擽られた経験がある。昨年の11月に琵琶湖の生涯学習センターで講演を行って、その機会を狙っていたのだ。泊まるならばこれだと思っていた。

琵琶湖のレイク・ヴューまで、京都の三条京阪からたった23分で着く。それで、今回の京都行きの宿泊所は、琵琶湖湖畔に取ることにして、ここから京大図書館へ通うことにした。1時間もかからずに着く。

Photo もっとも、琵琶湖のホテルと聞くと、ふつうはBホテルか、Pホテルを思い浮かべるらしくて、それはそれで、次回必ず泊まってみたいと思っている。けれども、贅沢を言わなければ、もっと簡易にレイク・ヴューを楽しむことができる。わたしの部屋から眼下に、ずっと湖面が広がっている。

Photo_2 右に、石山寺方面、左に比叡山方面が、窓からずっと展望できる。左右ともに、歴史の宝庫が満載のレイク・ヴューでこれほどのレイク・ヴューは望むべくもないだろう。

朝の散歩は、湖畔沿いに広がる「なぎさ公園」をずっと右に2,3キロメートル展開する。メタボ対策の夫婦や、ルアー釣 Photo_4 りの人、犬の散歩、猫の朝寝、個人所有のモーターボートでクルージングへ向かう人、さらにサイクリングを楽しむ人、それらに混じって、通勤客もかなり多い。もちろん、鴨もたくさん居る。

つまり、湖畔には、日常が欠如しているのだ。ふつう、この青空の下に、ビルや家屋が展開して、心の中を埋めてしまっている。それが、ぽかっと何もない空間が広がるという贅沢が存在する。この何も無いということに気づいてしまった人は、幸か不幸か、散歩に出るしかない。この欠如感は、比類ないものだ。

Photo_6 もちろん、海でも悪くはないが、動的だ。湖の静けさは、欠如感に似合っていると思われる。このまま、欠如感を楽しんで、埋めたり削ったりするのもよいが、やはりそうもいかないだろう。

8時過ぎには、駅に戻って、9時ちょっと過ぎには、すでに図書館へ入っていた。この充満した感じは、また比類ないものだ。昼は学食のカンフォーラで599円のランチ、進々堂のコーヒーとチーズケーキ。書棚ふたPhoto_7 つばかり、約10冊を拾い読み。細分化された項目での充実振りは、やはり京大図書館ならではのバランスある揃え方を示していて、渉猟していて安心感がある。開架式で、すぐにこれだけ集められるところはそう多くはない。

夕方になって、妻からメールが入り、人文・社会科学系では、二条寺町の三月書房の品揃えが良いらしい、と言うことなので、何を見てそうなのかは深く詮索Eight せずに、旅人らしく、すぐ寄ってみる。買わずに見過ごしてしまった、岩波文庫など5冊購入。時間が余ったので、街の喫茶店「Eight」へ入って、1杯。

阪大のK氏と、昨年と同じ、高瀬川沿いのMにて待ち合わせ、雑談を楽しむ。彼は、昨年ずっと雑誌連載を行っていて、体調をすこし崩していた。メタボ気味だった体つきが、ウォーキングの成果なのか、すこし細くなっていた。そのためか、サラダ中心の飲み会となった。わたしだけ、ワインをたくさん飲んで申し訳なかった。

Photo_8 最後は、メニューには載ってない、特別注文のたっぷりとしたカップに入った、アメリカンを飲んで電車に乗り込んだ。京都市役所前駅から、乗り換えなしの終点が、宿泊所なのだ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。