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2009/11/04

C・レヴィ=ストロースが亡くなった

クロード・レヴィ=ストロースが10月30日に亡くなったとの報道があった。100歳だったそうだ。

最初に読んだ本は、『悲しき熱帯』であったが、その後続々と翻訳が出た。ちょうど大学院へ入ったころ、ゼミの皆が取りあげたこともあって、構造主義がいっぺんに入ってきた。

『親族の基本構造』は、とくに印象深い。ひと夏、伊豆の民宿で一気に読んだ記憶がある。さらに、「近親婚禁止が親族のネットワークを発展させる」という構造主義の基本原理は、頭から離れず、その後バリエーションを考えて、幾たびか使わせていただいた。

来日したときの講演を何回か聴く機会があったが、文化人類学者らしい発言が耳に残っている。たとえば、人類が戦争を行う、ということについて訊かれたときに、答えて曰く。戦争も人間の営みだから、その現場に行って考えたい、と。

現実を根本的に考えるという姿勢には、いつも啓発された。論文や本の書き方でも、ひとつの典型例を提示していた。まずは、一冊最後まで、全部書いてしまう。その上で修正を加えていく、という書き手の典型だった。まねしようとしても、なかなかまねできない書き方だったが、頭の中では、いつも理想的な書き方として認識していた。あの宇宙大の「概念の積み木」を組み立てることのできる人は、これからもあまり出ることはないだろう。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。