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2009/07/19

論文にとって重要なこと

論文にとって重要なことは何なのか、をずっと考え続けた合宿だったような気がする。

ある人は、4年も費やして、世界に断片的にしか存在しないと思われた現象を、それこそ綱渡り的に結びつけて、世界の共通現象といえるところまで持っていった。はじめは、到底結びつくとは誰もがまったく思わなかった。

ある人は、はじめから発想が素晴らしかった。着想が勝負だ、と本人も思ったらしく、それにこだわった。それはそれで良いのかもしれないが、ブラッシュアップは行われず、脇を固めることだけに邁進した。

ある人は、自分の世界観、宇宙観を1方的に、しゃべり続け決して譲ることがなかった。これはこれで、ほかの大学では決して見ることのない論文が出てくることを予感させた。

ある人は、ほかの人が思いつかないような、二つの世界を強引に結び付けて、これが真実だと主張した。

H先生は相変わらず常識人で、論文を書く人には、第1に、なるほど、すごいですな、と褒めなさい。第二に、それから、先どうなりますかと期待して褒めなさい。第三に、結論はどうなりますか。と自信を持たせさらに褒めて、木に上らせるようにする、とおっしゃっていた。ちょっとニュアンスは違うが、こんな感じの言葉だったと思う。人間の出来が違う。

この域に達するまでには、まだ何年もかかることだろうが、ゼミの方々には伝えておきたい。真意はやはり最後は書き上げていただきたいと思っているのであって、決して書いてもらいたくないとは考えていないことだ。そういえば、数十年前には、諸先生方にご迷惑を掛けていたのは、じつはこのわたしだったのだ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。