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2009/02/03

言葉だけの結びつきとは(読書論)

K先生が現れたのは、言葉と一緒だった。読書について講義する、と聞いて、思わずわたしも最近読書論もどきを書きました、と言ってしまった。

まず、ショウペンハウエルの「読書とは、他人にものを考えてもらうことだ」という有名な言葉から始まって、読書とは文字を読むことに止まらず、認識方法そのものだ、というところまで意見が一致した。こんなことは、滅多に無い。

多くのひとは感じているものの、言葉に出して共感を得たことは初めてだった。そこで講義に使うプリントをみんないただいた。魅力的で読みでのある箇所が満載だった。

たとえば、ドン・キホーテは最後に正気に帰って死んでいくことは有名だが、それじゃ、なぜ狂気に走ったのか、という件は久しぶりに思い出さされてしまった。つまり、読書は人格を二重にする、という逸話が当てはまるのであって、まさにドン・キホーテ以降の現代というのは、二重人格者の世界になったのだと思う。

それから、芥川龍之介のプリントも面白かったな。当分は、「オオル・ライト All right オオル・ライト」「何が一体オオル・ライトなのであろう?」という言葉が耳から離れないだろう。とりあえず、レエン・コオトのことが頭から離れられなくなって、自殺してしまうことだけには注意することにしよう。

そして、究めつけはハムレットのセリフ、何を読んでるんだいと聞かれて、「Words, Words, Words.」と答えるのだ。あえて、言葉だけなんだよ、というからには、やはり他の世界が存在するからなんだよな。徹底して、言葉だけの関係、つまりはもうひとつ、言葉だけではない関係の世界がそこに写されてあるのだ。これだけ読み込まれると、もう参ったというほかない。

K先生と別れて、今日から4日間22時間に及ぶ、言葉だけ言葉だけ言葉だけの講義へと向かった。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。