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2009/02/02

夜の高速バス

このまま走れば、地が果てる
このまま行けば、海を突き抜ける
途中寄り道があるとしても、そのまま道をたどって行こう
屏風のように崖が切り立ち、行方を遮ろうとも

夜の東京駅はいままでにない賑わいを見せていて
高速バスが地の果てまで通じているとは誰も気付いていない

夜の高速バスは人声に満ち溢れていて
こんな人里はなれた土地を目指しているとは誰も思わない

オアシスのように、闇の中に浮かび来る
コンビニには光が充満していて
かえって、人気の無さを描き出している

かつて、グレイハウンドがカウボーイたちを都市に運んで
ナイトホークに孤独なシルエットを描かせたのと反対に
いまでは、地の果てへ目的なしに向かわせる
ポストモダンの折れ線グラフが錯綜している

夜の高速バスは、今では企業戦士たちを女性化させ
化粧を窓に向かって行わせ、毛羽立った髪の毛を手で透かせて運んでいる

誰がコンビニを利用するのだろうか
キツネやタヌキはとうに追い払われ
江戸のやくざたちも今も田んぼを駆け巡り
現代での出番は回ってこない

外国から来た踊り子たちは、つかの間の休日を東京で過ごし
地の果てへ帰っていく
疲れた顔して、荷物を落とし
内の心に鍵をかけて、バスを降りていく

銛をもった漁師たちが、地の果てでどこが悪いのか、と問うている
風車がエコに貢献する時代になっていても
ドン・キホーテはそれでも風車に向かっている

明日もまた屏風へ向かって風が吹くだろう
地の果てへ向かって、それでも高速バスは走っていくだろう
海の底から地響きたてて、波が押し寄せ
風が吹いてきても、このまま走っていくだろう

                              銚子にて

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。