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2008/12/26

甲府での講義

三日間の集中講義をYP大学で行った。今回は、テキストを使って、「築地」の魚市場を取り上げた。年末になると、とくに雑誌などで特集が組まれる。昨日も、新聞の第1面に宣伝が載っていた。

「築地」と聞くと、やはり「せり場」のイメージが強い。つまり、アメ横が消費者向けの市場であるならば、築地は卸、あるいは玄人むけの市場というイメージがあり、「市場論」を講義する者にとっては、一度は取り上げたい題材だ。

時あたかも、1週間ほど前に、「築地」があまりに外国人観光客に人気で、ついにはせりの立会いに邪魔になるといって、締め出しを発表した時期だった。このところ、築地に行くと、ほんとうにリュックの外国人を見かける。しかも、かなり奥のほうだ。

Dsc03229 たぶん、今回講義で使った経済人類学者T.ベスターの『築地』は、その人気にかなり貢献?した本だと思われる。時間がかかっていて、良くできたルポ&理論書であると思う。今回の講義では、読みあわせと、要約を繰り返し、途中3回ほどのグループ討論を重ねて、最終的な結論を出してみた。クラスの人数もちょうど27人で、5グループとなって、議論しやすい人数だった。

Class22 築地市場というものが、市場メカニズムと、組織ガバナンスと社会文化ガバナンスの混合物であることが、見事に描かれ、しかも、日本人の魚事情とのかかわりが、経済的のみならず、文化的にも明らかにされていて、たいへん興味深い題材だと思われる。

Class33_2 観光案内としても面白い。東京の真ん中の、海岸よりに位置していて、銀座に近い、けれども文化的には、東京よりも世界に近いのだ。そのコントラストが魚をめぐって描かれている。ちょうど受講生たちが生まれた1988年ごろに日本の魚生産と消費は、歴史的なピークを向かえ、それ以後ずっと低下してきている。

かれらにどのくらい魚を食べるか聞いてみたら、1週間に1回くらいが平均値だった。かれらの世代くらいから、魚を食べない世代が表に出てきたのだろう。

最後には、800字の記述試験を行って、大団円だ。学生たちも最後まで、健闘していた。三日間ともに、朝の9時に始まり、夕方の6時まで、15コマ22時間半のゼミ講義だった。帰省前のちょっとした勉強にはなったと思う。

その間、わたしの夜の食事では、夏に寄れなかった「フォー・ハーツ・カフェ」で、酒折の白ワイン辛口を初めて飲んだ。また、たらこスパゲッティの美味しい「楽」では、ソレイユ甲州辛口をグラスワインでいただく。いずれも美味だった。

胃のほうは、最初のころは、疲れが出なかったのだが、最終日になるころには、先日の数十種類の試飲が体中に効いてきて、震えとまではいかなくても、すこし普通ではないようだ。そうは言っても、やはり甲州の白ワインの美味しさには代えられない。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。