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2008/11/28

美術館と喫茶店

良い美術館と美味しい喫茶店があれば、ほかに何もいらない。今回、千葉の街を見直した。

午前中に、T先生と予定通り、『市民と社会を生きるために』の第1回を収録した。あくまでイントロなので、軽やかに全体を紹介するというねらいだ。他の先生方の内容が充実しているので、それに「実践」というかなり重厚な題材なので、第1回目で興味関心を惹き立てるには、軽やかさということが重要だと思われた。

考えてみれば、T先生とは放送大学の開学当時からすでに四半世紀のお付き合いとなる。多くの番組を一緒に作ってきたが、ふたりだけの対話で番組を作ったことは、今回が初めてである。これまでにも、番組紹介番組などでアドリブのアイ・コンタクトによる制作は、かなり行ってきているし、さらに何を考えるのかだいたいわかるので、多少の逸脱があっても安心して、会話についていけるのだ。

081128soba_3 幸いにも、1回もNGはなく、時間もぴったりに終わった。アドリブの楽しさとスリルを同時に味わえて、これから癖になりそうだ、と話しながら、研究棟へ帰った。ちょうど『市民と社会を生きるために』の宣伝番組にもなっているので、ぜひ雰囲気を聴いてみてください。

081128tonya カンファレンス室へ戻り、千葉美術館へ行くことを話すと、Aさんが近くの蕎麦屋とコーヒー豆屋と、さらにケーキ屋さんを教えて、地図を持たせてくださった。蕎麦は、二八そばで、手打ちの感じと歯ごたえは十分で美味しかった。新そばということだったので、香りを期待したが、さすがにそこまでは高望みしすぎだった。

081128cup1 コーヒー豆屋さんは当たりだった。横浜に本拠のあるかなり有名な店で、一度は行って見たいと考えていた。千葉にも支店があったとは知らなかった。まず、店構えが良い。道に向かって開かれている。そして、店に入ると所狭しとばかりにコーヒー豆が山積みで、この溢れるばかりのコーヒー狂い振りがたいへん好ましい。

ブレンドが美味しくて、安い。写真にあるように、たっぷりとしたコーヒーカップがさらに良い。絶えずよりやすく豆を仕入れている様子が伺える。つねに、これだけの豆を確保するのは、たいへんなことで、仕入れ担当はいつもインターネットでコーヒー豆の商品市場情報を探っているに違いない。

081128muse さて、お目当ての千葉市立美術館では、『国立美術館所蔵による20世紀の写真』展が開催されている。京都の近代美術館所蔵のものが中心だそうだ。わたしのような初心者には、格好の展覧会で、これまでバラバラに見てきた写真群がみごとに整理されて、どのような流れがあったのかが一覧のもとに明らかにされている。

欧米の写真ばかりでなく、日本の写真作家もそれらの系譜のどこに位置されているのかがわかる。たぶん、脈絡のつけ方が素晴らしいのだと思われる。なかでも注目したのは、「真偽」を題材にした作品群だ。

ひとつは、「木漏れ日」というトーマス・デマンドの作品で、枝葉越しに陽の光を28枚にわたって写したものだ。よく見ると、枝葉は造花で、太陽もスタジオの電球なのだ。けれども、決して偽物だとは思えない、素晴らしい出来だ。

もうひとつは、「インダストリアル・ファサード」と題された、建物の正面だけを15枚撮って構成された作品群である。なんとなく形や窓の位置が同じで似ているのだが、細部を比較してみると、まったく異なるモノたちが集められている。このような「家族的類似」の提示がありうるのかと感心した。

いずれにしても、現実的な否かという絵画特有の鑑賞法は取れない。だから、真実か否かという鑑賞法を導入しなければならなかったのだろう。

081128blue 今日最後のコーヒーは、美術館の裏道をすこし行ったところの右側にあるケーキ屋さんで、リンゴのタルトを食べながら。千葉駅へ出る帰り道、放送大学の学生のかたに話しかけられた。「頑張ってください」とおっしゃっていた。今日収録をしたことはご存じないのに、不思議な符合を感じたしだいである。「自宅がキャンパス」という放送大学の標語を改めて、「社会がキャンパス」としたいところだ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。