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2008/11/20

CEOの自家用ジェット

景気後退が本格化してきた。今日は、ロサンゼルスで開催されているモーターショーがニュースになっていた。注目されたのは、GM、フォード、クライスラーのビッグ3の動向だった。

時期が時期だけに、いつもの賑わいがまったく無く、新車発表もなく、さらにCEOによる記者発表すらも行われなかった、と報じられていた。それは、自動車業界全体が景気の影響をまともにかぶってしまい、ビッグ3すらも、資金繰りが悪化して、このままでは12月まで業界が持たないなどとまで言われている。

それで、ワシントンでは、ビッグ3へ公的資金を投入するために、議会の公聴会が開かれ、各社のCEOが雁首を揃えていたのだ。

ここで興味深い議論が起こったのだ。この辺に関しては、米国人は頑固なのだ。この公聴会へ各CEOが自家用ジェット機で来たのだが、このことに公聴会の委員が噛み付いたのだ。国民の税金を貰いに来る「貧しい企業」が、自家用ジェット機でくるとはけしからん、ということらしい。

この点については、昔から二つの説がある。一つは「景気が悪いときには節約しなさい」説。もう一つは、「景気の悪いときには浪費しなさい」説である。

前者は、国民の感情を代表するもので、日ごろの妬みが表出したといえるし、企業にとっても、節約してくれれば喜ぶところだ。けれども、国民全体にとってはどうだろうか。金持ちが浪費してくれれば、その乗数効果がはたらいて、景気を下支えすることになる。マンデヴィルが言ったように、金持ちが浪費しないと暮らしていけない人がでるのである。もちろん、これは中世から近世の話で、現代においては、景気の悪いときに限られるが。

つまり、「自家用ジェット機」というのが、確信犯的な浪費ではないところに問題があるだろう。もっときちんとした「浪費」を行えばよかったのだと思われる。たとえば、ジェット機から自分の稼いだ札束を撒けば、これはかなりの効果があったと思われる。CEOだから、かなり高額の給料だろうから。さらに、慈善事業に寄付したり、失業対策に「浪費」分をつぎ込むならば、議会も喜んで公的資金を注入することだろう。

やはり、自家用ジェットには、低所得者の妬みが象徴されて出てしまったような気がする。金持ちの浪費は抑制すべきではないと思われる。どこかの国の「定額給付金」よりは、金持ちの浪費のほうが圧倒的に効果があると、わたしには思えるが、現代において、それほど太っ腹の金持ちが存在するだろうか。自家用ジェット機くらいでは、現代の紀伊国屋文左衛門にはなれないだろう。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。