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2008/09/13

夏風邪

このところ、夏風邪特有の変調が出て、悩まされている。肩こり、頭痛、腰痛という三点セットで現れる。だいたいは、目のこわばりから始まるので、眼精疲労程度だと思っていると、肩こりとして貯まってくるのだ。

かつて、ドライアイという言葉が流行っていたが、最近あまりその言葉を聞かなくなった。けれども、ホームページのドライアイ関連のところを探すと、まさにドライアイが肩こりを引き起こし、さらに頭痛に通ずるのだとある。

http://www.help-dryeye.com/

このようなドライアイが原因の頭痛を、「緊張性頭痛」と呼ぶそうである。緊張性頭痛と聞くと立派な病名のようで、病気になった気になるが、まったくその通りの意味で、緊張することで頭痛が生ずる症状だとのことだ。パソコンを使うので、眼精疲労が生じ、ストレスが起こるのだそうだ。

ところが、このように原因がほぼ確定しているにもかかわらず、わたしの場合、しばしば途中で、急にこの肩こり、頭痛、腰痛が消えてしまうことがあるのだ。そこで、夏風邪説も、ドライアイ説も、ちょっと言い出すのを控えている。もしかしたら、ほんの疲労だけなのかもしれないのだ。

どういうときに、これらの症状がなくなるのかといえば、第1に、なんと映画を観ているとき、なのだ。これだけでも、目からくる頭痛説は疑わしい。第2に、人と会って話しに夢中になっているとき。とくに、集中してちょっと疲労を感じてもよさそうな緊張感ある研究会や、学生とのゼミナールになると、症状は引っ込むのだ。第3に、家族と美味しい食事をするとき。口を動かして、緊張感がほぐれるからだろうか。

というわけで、このところ原稿書きのため、すっかり禁欲していた映画を観ることにする。東京文京学習センターでの卒業研究ゼミナールを終えて、映画館へ駆けつける。やはり、頭痛を治さねば、書ける原稿も書けなくなるのではないだろうか。ちょっと弁解めいてはいるものの、きわめてもっともな理由だと思われる。

肩こり、頭痛、腰痛からの脱却ができるという小さなことではないが、映画のテーマも「蘇生」ということだった。もし自分が生き返ることができるならば、どのような可能性があるのか、ということだ。ふつうの人生では、反省作用を発揮してやり直すときに、一度しかチャンスはないような気がする。けれども、何度も反省が許されて、そのたびに新たな才能が得られるならば、人生は痛快になるだろう、という映画「ウォンテット」なのだ。

生まれ変わるごとに成長していくという教養小説の焼き直しなのだが、通常人生は不可逆的なので、決定的な傷を負ってしまうと、ふつうは反省作用が逆効果になって落下するはずなのだが、そこは映画効果によって免除されている。エンタテインメント性の十分な映画だった。この種類の映画では、以前にも指摘したシャワー効果が発揮され、肩こり、頭痛、腰痛に効けば、それで良いのだ。

この映画のなかで、生まれ変わりの秘密兵器として登場するのが、藍の温床のごとく床に掘られた風呂である。そこに蝋付けになって、静養すると、どんな致命傷級の傷でもたちどころに直ってしまう。こんな風呂があれば、肩こり、頭痛、腰痛などは、ものともしないことだろう。家にも、一すえ欲しいものだ。

結論からすれば、今回の症状は、夏風邪説でも、ドライアイ説でもなく、単なる原稿書きのストレス説が濃厚になってきた次第である。来週は、いよいよ温泉地へ行き、そこで原稿を書き、講義でたっぷりしゃべるので、この症状からは脱却したいと思っている。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。