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2008/06/28

アフター・スクール

仙台講義の初日は、6時間ちょっとのハード・メニューである。昨日の雨はすっかり上がって、さわやかな日差しが杜の都を照らしている。すこし早目に宿舎を出て、ゆっくり歩いて宮城学習センターへ向かう。昨日、刺身の美味しい店で、たっぷりとご馳走をいただいたので、エネルギーは全開で講義に臨んだ。

学生は40数名だったので、このセンターの角にある大教室も、これで一杯らしい。6時間のなかでは、だいたい最低一人当たり3回くらいは全員の発言を求めることにしている。質問を多くする人であれば、6回以上は発言する機会があるだろう。同じ6時間であっても、質問の多いクラスと質問の出てこないクラスとでは、講義の印象はまったく異なってくる。こちらの講義が相乗効果を生むか否かは、じつは学生の側の質問や発言に依存しているのだ。

最近は「社会科学風講義」を意識した講義づくりを目指している。いわば「互酬制」的方法といっても良いかもしれない。参加型授業のなかでも、こちらのコースに乗せるのではなくて、できるだけ学生の経験蓄積を講義のなかへ取り込むことを考えている。こちらから題材を投げかけることは行うが、それへの応答を紙に定着させてから、討議に移る。

もちろん、これで出てきた意見のどの部分を活用するのかで、かなり講義が違う方向へ向かうことになるので、少しの工夫はいる。意見のスクリーニングをどのように行うかで、講義の方向性が定まっていく。5~6人のクラスと、50~100人のクラスでは、同じ参加型の方法を用いる場合でも、かなり異なる。学生のほうも、自分の意見が他者の意見と交わることによって、変化していくことを楽しんでいる。

帰りの道筋からちょっと外れたところに、喫茶「まつりか」という自家焙煎の店があって訪れたのだが、お休みで入れなかった。仕方なく、夕食は繁華街へ出て、仙台名物の牛タン定食を食べることにする。

「R」や「D」という評判の店は、支店であっても、観光客で満席状態で、玄関の外まで行列をなしている。身体が疲れているときには、行列を楽しむ余裕がないので、ほかの店をのぞいてみる。「太助」という店の支店も行列であったのだが、ちょっと行ったところに本店があって、カウンターなら空いているということだったので、すぐに腰掛けた。

カウンターからは、焼かれる前の生のタンが見える。小学校時代、校長先生が朝礼の時間に「夢」の話をして、人間のタンが倉庫に並んでいる超現実的な話をしたことがある。その場面だけが、記憶に残っていたのだ。話は結局道徳的な訓戒で「うそをついてはいけないよ」という落ちだったのだけれど・・・。

この店は、葱のいっぱい入った旨味スープが付いてくる。ボリュームたっぷりの牛タンを頬張って活力を回復して、アフタースクールへ繰り出すことにする。出張の夜は、いつだって長いものなのだ。

深夜映画がかかっているというので、それまで近くのJazz喫茶「Count」へ入って時間をつぶす。座ってから2曲目で、M.タイナー「Reaching Fourth」のB面がかかる。偶然だと思われるが、なぜかわたしの好みの曲なのだ。ここはいまだにLP盤を使っているのだが、ノイズがないのが不思議なくらいだ。大スピーカーが良い音を響かせている。

地下鉄を一駅乗って、映画館「仙台フォーラム」へ入る。内田監督「アフタースクール」がかかっていた。ネタバレをしてしまうと、この映画はそれが生命なので、あまり深くは描けない。綱渡り的な伏線の張り具合と、反転に次ぐ反転が面白い映画だ、ということで感想は終了。わたしのアフタースクールにとっても、浄化作用の大きい映画だったと付け加えておきたい。

今日最後のコーヒーは、12時近くになってしまった。定禅寺通りにある、朝まで珈琲専門店だけでやっている喫茶店「珈巣多夢」で、浅煎りのハワイ・コナを頼む。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。