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2008/06/22

試験問題作成の季節

K大学から、期末試験問題作成の依頼が郵便でどさっと届いた。この時期になると、放送大学も同様だが、試験問題をたくさんつくらなければならない。日曜日にもかかわらず、午後はずっと試験問題の作成に取り掛かった。

小学校時代に、多胡輝「頭の体操」というカッパブックスシリーズが出ていて、友人たちとのめり込んだ。同じような問題を飽きさせることなく作るので感心した。簡潔な問題作成がされているわりには、考えさせる問題であった。どのようにしたら考えさせる問題になるのかということを「考える」練習となった。「頭の体操」のレベルになってくると、仕事と趣味の区別が付かなくなってしまう。

大学の試験問題で一番注意していることは、思考過程を重視した問題を作成することである。もちろん、理想的には、ということではあるが・・・。記憶を確かめるような単純な問題や、講義を聴いたかどうかを確認するだけの問題は、なるべく作らないことにしている。だから、なかなか良い問題を作るのは難しいのだが、学生が数時間考えて、その結果そのことはたいへん重要なことであることを、自ら認識できるような問題を目指している。

むしろ試験そのものよりも、試験に至る事前勉強のときに、どれだけ考えることができるのか、という過程を重視しているということになる。たとえば、事前勉強には、約30時間以上かかるような問題を作っている。試験は、講義の一部であるという説に組しているといったほうが正確かもしれない。

試験の内容を見ていただければ、そのことはよくわかっていただけると思うが、残念ながらそれができないのが、まことに残念である。思考過程をあらわす答案のなかには、ときどき予想外のものが含まれていて、読んでいて楽しいときもあるのだ。

さて、日曜日の神奈川学習センターでは、面接授業というスクーリングが行われており、これらも7月のはじめには終了するので、そろそろ最終日を迎える面接授業が多くなってきている。

「しばらくです」と言って研究室に入ってきたのは、T先生だ。地方自治を専門としている講師の方で、この学習センターのことをよく知る方のひとりだ。Y市役所に勤めていたが、4月から専門の研究所へ転進を図ったとのことだった。

現場から離れず、しかも研究を続けるための転職で、40歳代後半の転回は理想的だと思われる。これまでの経験的な知識を活かして、さらに学問的な知識を究めたいというのは、放送大学に学び、放送大学を教えるもののモットーだと思われる。彼の転進に、放送大学がステップ台として貢献できたのは、たいへん名誉なことである。

きょうの彼の講義にも、地方議会の議員、会社の決算担当者などの出席があり、講義に関連する場所では、これらの方々の経験談を話していただいたらしい。社会科学を教えるものにとって、放送大学の講義ほど立体的な構成の取れるところは数少ないのではないだろうか。もっとも、その分、講義内容についての学生からのチェックも厳しいのだが。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。