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2008/06/19

痛みの空虚

先週、ようやく歯医者から「はい、これでいいですよ。あとの虫歯は様子を見てみましょう」と言われたところだった。ところが、その近くの歯肉が腫れてきてしまったのだ。この腫れは歯ではなく、明らかに内科的な部位の問題とわかるところにできて痛いのだ。日ごろの不摂生がたたっていることは間違いない。

今週に入ってから、いろいろなところに痛みが走って、どこが本当に痛いのかわからないほどだった。痛みが軽率で尻軽なのか、感じる側の神経が麻痺して、いい加減なのか、それはわからないのだが・・・。

岡山から帰ってきたら、足の裏に肉刺ができて痛いのだ。それは右足だったのだが、それを庇っていたら、こんどは左足の膝が痛くなった。急に立ち上がったら、立ったという感覚が戻っておらず、頭ではわかっていても、身体がどうと倒れてしまった。

さらに、風邪になると、うずうずしてくる腰の痛みが加わり、そして遂に、顔を経て、頭痛にまで痛みが発展してきた。なんと計画的な痛みの移動だろうか、と感心してしまった。結局、それが何か本質的な一つの痛みだったのか、それとも、局所的な痛みの移動だったのか、わからないままだった。

頭痛のする反対側ののどをとんとんと叩くと、頭痛のところにどんどんと響くのだ。

個人的なところに留まっているならばそれで良かったのだが、どうも周りを見渡すと、痛みが社会全般を巡って歩いているらしい。

妻の友人は、この2週間断続的に「風邪」で休んでいる。それは、家の修理で塗装屋さんと話していたら、どうもその塗装屋さんがウィルスにやられていたらしい。咳を通じて、すっかり移ってしまったのだという。

近くの人は、やはり咳の出るウィルスにやられて、声が出ない。それで病院へ行ったのだが、即座に点滴をしなければならなくなったらしい。また、今週千葉へ行って、母と話していたら、盛んに咳をして、やはりのどが痛いという。

ブログ仲間のKiさんも、風邪で倒れたのち、歯が痛くなった、と書き付けていた。痛みが確実に、みんなを襲っていることがわかるのだが、それじゃ、痛みの中心はなんだろうか。ウィルスだ、と技術的にでもわかっていれば良いのだが、(たぶんエンテロウイルスの症状に近いのだが、)どうも今回はそれも特定できない。

夏風邪ということで簡単に済ませてしまうが、エンテロウイルスなら、先月北京などで流行していて、子どもたちに「手足口病」を発病させ、死者も出した。わたしの子どもが小さかったころ、ヘルパンギーナになった、ということも、妻と話していて、思い出した。今ではもう、忘却のかなただが・・・。痛みは通り過ぎるとすぐ忘れてしまうという都合の良い性格を持っている。だから、いつも付き合い難いけれど、離れることができずに、したがって「友達」で居られるのかもしれないのだ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。