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2008/04/24

自己完結して済む時代ではない

「自己完結して済む時代ではない」という言葉は、4月24日の朝日新聞朝刊(神奈川版)に載った記事から取ったものだ。

横浜美術館は、公的な機関のなかでも、いろいろと民間的な手法を取り入れることで有名なところとして知られている。今回は、北海道の家具メーカー、横浜の不動産会社と提携して、館内に会社紹介やイベントのラウンジを開設した。このラウンジには、当然横浜美術館所蔵の作品も展示され、連携した仕事になっている。これが新聞記事になったのだ。

この中で、美術館のAさんが次のように言っている。「まるで企業のショールームのようだ、間接的に商行為に加担しているのではないか、という批判はあり得る」に続いて、表題の言葉が使われている。「だが、美術館が自己完結して済む時代ではない。市民や企業と協力関係を結ばなければ振り向いてくれない」

つまり、美術館と参観者との関係は多様なのであって、単に美術展を見に来る人だけが参観者じゃない、という問題提起であろう。結果や運営問題についての論議はもうすこし眺めてみたいが、問題提起自体としてはきわめて正統的なものだと思う。

わたしはこの問題提起を支持したい。この「美術館連関」には、きわめて重要な問題が隠されていると思う。そのうち、講義のなかでも、ぜひ取り上げたいテーマである。

さて、支持する理由がもうひとつある。じつは、このAさんとKさんを通じて、横浜美術館で大学の授業が可能かどうか、探っていただいているのだ。7月に面接授業を登録される際に、2008年度第2学期の「面接授業案内」に載っていれば、成功したということだろうし、もし載っていなかったら今回は失敗したと考えていただきたい。

放送大学にとっても、自己完結して済む時代ではない。

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コメント

「自己完結」。厳しい言葉ですが、日本の先行きを考えるならば現実的な対応と考えるべきではないでしょうか。
 美術館、コンサートホールなどの公的文化的施設・サービスはいまだ過剰かと思われます。残念ながら一部は「淘汰」されなくなるのか、あるいは、その従来の事業のあり方を変えていく必要があるでしょう。横浜美術館はきっと後者に入り、民間企業とうまくコラボレーションできるかに、その存在意義があるのだと思われます。
 今度の取組は少子化の中で、放送大学も在り方を変えていく必要があるということでしょうか。上手くいくことを期待しております。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。