« ひまつぶし! | トップページ | 終わり名古屋 »

2008/03/30

アール・デコ

アール・デコ様式が、日本ではあまり定着しなかったことは、大正文化のひとつの特徴であったと思われる。もちろん、日本で作られていなかったわけではなく、輸出用にはかなり発達していたらしい。商品文化として取り入れられていたにもかかわらず、日本では短期間しか定着しなかったというところが、大正期の特性であると思われる。

080330_165401 今回の名古屋出張での、最後の目的は、明治・大正期の「NORITAKE」、オールド・ノリタケを観ることにあった。名古屋大学での資料収集を3時に切り上げて、名古屋駅から地下鉄で一つ目の「ノリタケの森」を訪れる。

ここにノリタケのミュージアムがある。製造過程を見せるクラフトセンターの3階と4階が展示場になっていて、明治期から大正、昭和の典型的な磁器が集められている。

明治期のオールド・ノリタケは、原色を使い、さらに金を多用したもので、すこし毒々しい。当時の海外の上流階級の趣味を反映していると思われる。けれども、明治期の終わりころから、日本で独自に試みられたと見られるデザインがぞくぞくと現れてくる。

それらと並んで、アール・ヌーボーや、アール・デコのデザインが展示されていた。近代的なシンプルなデザインのものもある。きれいなブルーに梅のピンクがあしらわれたディナー・セットは、なかでもとりわけ素敵だった。

080330_214501 ちょうどアール・デコの棚に、お目当てのデザインのカップ&ソーサーと大小のお皿が展示されていた。先日、芦屋で建築を拝見してきた、フランク・ロイド・ライトが原画を描いたものだ。当時、同じくライトの設計になる帝国ホテルのシアター・レストランで使われていたものだと、ホテルのかつての料理長村上信夫が雑誌「食卓読本」で紹介している。

つまり、生産のほうは、海外の求めに応じて、盛んに行われたのだが、それが日本に帰ってこなかったということだと思われる。文化として、反省作用が生じなかった。ここが致命的だったのではないだろうか。

展示物は撮影禁止だったので、すこし色は違うが、雑誌写真を引用させてもらった。博物館で写真禁止なのは、なぜだろうか。海外では、プロが撮るのは禁止だが、一般の人はそうではないと思われるが。

« ひまつぶし! | トップページ | 終わり名古屋 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173786/40696583

この記事へのトラックバック一覧です: アール・デコ:

« ひまつぶし! | トップページ | 終わり名古屋 »

社会経営研究配布中

  • 2015study

社会経営ジャーナル配布中

  • 2015journal

開いている講義    「社会的協力論」

  • cooperation

「音を追究する」第13回・第14回

  • art

「多様なキャリアを考える」第2回・第3回・第4回

  • cooperation

「グローバル化と私たちの社会」第11回

  • cooperation
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

Recommend

プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。