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2008/03/15

資料館の春先展示

昨日も遅かったので、すこし余裕をみて、ホテル近くの、スマートな女の子を意味する言葉の「N」というカフェ・レストランで、早めのランチを食べる。テラスが温室のようになっていて、居心地が良さそうな、郊外型の商業施設である。タコとアスバラガスのパスタを食べ、腹ごしらえを終えて、府立総合資料館へ入る。

大正文化の特色は、「近代」をめぐる象徴的な動きであるが、交通はそのひとつとして見逃す事ができない。折よくちょうど、企画展「地域をむすぶ京都府の交通史」をやっていて、本来の文献収集をそっちのけで、見学してしまった。古代から中世(たとえば、角倉氏などが管理した河川の歴史)にかけて展示されていたが、鉄道に中心が移ってくると、明治期の建設からはじまって、大正期の拡張期に面白い動きがあることが確かめられた。

たとえば、重要文化財に指定されている「京都行政文書」には、交通事情が記載されていて、大正期に人力車や馬車に代わって、乗合自動車が登場し、都市交通が激変したことが記載されていた。このことによって、人力車の車夫は失業をこうむる事になったらしい。当時の幌なしの乗合バスの写真や、転換前の馬車の写真など、普段あまり気をつけてみないようなものが目白押しで面白かった。

問題は、大正期に拡張・変化した近代が、なぜ長続きしなかったのかということだと思われる。このことは、簡単に答えの出るものではないが、いくつかの証拠は集まってきている。この資料館の閉じるのはたいへん早く、4時半には閉館の時間となった。通りの向かいにあるパン・レストラン「進々堂」で、チーズケーキ・セットを頼む。コーヒーのお代わりは自由だということだった。3杯飲んだこれが、今日の最後のコーヒーとなった。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。