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2008/02/18

旧さの承認

080218_112802 大阪滞在は、淀屋橋近くの宿だったが、ここから本町にかけては、K大のKさんが博士論文で取り上げた道修町、平野町が続いていることに気がついた。老舗があって、Kさんからも推薦を受けていた。

そこで、文献収集、取材は午後に回して、この街の様子を観て歩くことにした。 080218_112801 先日は夜になってしまったが、日本銀行の建物は、遠くから見ても、また近代ビルのなかに埋もれていても、決して負けてはいない。(でも、写真ではちょっと負けているかもしれない。)威厳は守っていると思われる。おそらく、威厳という権威付けの点では、当初からの目論見だったのだろう。

他方、180度目を転じると、70数年前に都市整備されたときの御堂筋の広い通りが、直線的な美しさを誇示している。

080218_104302_2080218_104401今橋からすこし入ったところに、大正時代の建築「大阪倶楽部」を見つけた。スペイン、アラビア風といってよいのだろうか。洒落た煉瓦の壁が、周りの画一的な白い建物のなかで、たいへんよく映える。近くによって良く見ると、柱には彫刻が見られ、窓枠も飾りが凝っていて、ステンドグラスが一段と良く見える。倶楽部の方がたの社交心は、このような中核となるような建物という表現を得て、はじめて具現するのであることを認識した。したがって、これは建物という物的なものを越えて、いわばシンボルとして働いているようにも見える。

080218_104901_2伏見町の角に、日本家屋(たぶん、商家)が残されていて、錢高組の管理下にあるらしい。建物の前へ、美味しそうなお弁当の屋台を出していた女性の方に聴いたけれども、何の建物だったのかは知らないという。

すきのない建て方をしているところから察するに、質屋さんか金融業の家、という感じがしてくる。

旧いものを残す、ということは、たいへん難しいことだな、とこの家を見て感じた。つまり、現代に活かすことに手を焼いているのである。そのままの形で生かすことができるなら、このように門を閉めて、誰も住んでいない状態を放置することはないだろう。

周りの環境から、如何に遊離してきているのかということが、如実にわかる。つまり、問題は、素材があってそれ自体をただ単に、残せばよいと言う時代は終わって、いかに全体や環境の中で残るかということに変わってきているのだ。

昼食の場所を探したが、老舗ともなると、開店にたいへん時間がかかるらしい。Kさんからは、ガスビルの食堂、スエヒロ、美々卯本店、などの推薦を受けていたのだが、11時半にならないと開かないといわれたので、11時から営業している店を探す。

幸い、美々卯の系列店だろうと思われる、コンクリート打ちっぱなしの建物の店があり、天ぷらご飯とうどんがセットで、安いランチとなっている。本店に近いだけあって競争原理が働くのだろうか、粘り強く腰の強いうどんは、たいへん美味しかった。たれも薄味だが、とてもだしが効いている。

お腹の一杯になったところで、午後の資料収集に出かけることにした。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。