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2008/02/06

ネットワークの逆転

社会的ネットワーク論で、強いネットワークと弱いネットワークの存在が問題になる場合がある。

きょう、銚子のホテルで朝食を摂ろうと、1階にあるカフェへいくと、喪服に身を包んだ中年の男女の一群に会う。ホール一杯に響くような大きな声で、談笑していた。どうも地元出身者の親族グループのようだ。

久しぶりに、法事でふるさとの銚子に集ったのだろう。聞くともなしに聞こえてきてしまったことの多くは、自慢話だが、無難なところでまとめている。昔を思い出しながら、親族の同一性を高めようという暗黙の意図が感じられた。もちろん、このような場で議論はあまり馴染まない。

たとえば、話題としてイチロウの苦労話が持ち出されていたが、誰もが反論することのない話題だ。イチロウに続いて、銚子出身(?)の、ジャイアンツの篠塚が話題になっていた。これもおそらく、当たり障りのない話題で、みんなが一致する話の内容になることは目に見えている。

ちょっと奇妙なことに気づいた。それは、ふつう親族のネットワークは、常日頃から凝集性が高く、小集団の中だけの話に終始する。したがって、むしろこのような「イチロウ」や「シノズカ」を改めて、声高に持ち出す必要がないのだ。

それでは、なぜこの場でそれが話題になったのか、それが問題だと思う。つまり、同一性を強調しなければならないほど、この親族グループは疎遠な関係になってしまっていた、ということだろう。

本来、「親族」は、かなり「強いネットワーク」を組むことで知られている。けれども、時間が経つにつれて、「親族グループ」間で距離が離れ、単に冠婚葬祭だけで結びつくようなグループになってしまうことは、往々にしてあることだと思われる。

いわば、強いネットワークが弱いネットワークとして機能し始めることが起きるのだと思われる。このことが理解できれば、反対に弱いネットワークが媒介するものによっては強いネットワークに発展することもありうるのだと思う。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。