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2008/02/05

Land's End

英国のコーンウェル地方にランズ・エンドと呼ばれている名所がある。最西端であることで、ひとつの観光地になっている。NHKの番組で、ある俳優がそこにある自然の地形を利用した劇場を紹介していて、印象に残ったことがある。

きょうの講義が終わると、H先生が現れて、素敵なところに連れて行ってくださる、という。ちょうど陽が落ちて、太平洋に向かって車を走らせると、ランズ・エンドという雰囲気がひしひしと迫ってくる。

連れて行かれた場所は、かの有名な犬吠埼の灯台であったのだが、昼の観光客が集まってみるようなところは宵闇に消えて、灯台の周りを一周すると、スケールの大きな夜の太平洋の姿を感じることができた。

こちらは、ほぼ360度海なのだ。断崖絶壁から見る夜の太平洋は、荒々しさも通り越して、荘厳さを醸し出している。押し寄せる波の壮大なことは、かつてトンガに行ったときに、秘境という感じで見て以来のものだった。

意外だったのは、灯台のサーチライトだった。沖を通る船は、光の種類から観て豪華客船のようだが、転々といくつかが黒い海に広がっており、灯台のライトはそれを通り越して、地上の果てから、海の果てまでも映し出すかのように、信じられないほど遠くまでも、閃光を届かせているのだ。

昔、小さな劇場でアルバイトの照明係をしていたことがあり、遠くを照らす快感というか、すべてをひとつの劇場宇宙のなかに映し出したいという欲望というか、これらの思い出が出てきて、大自然が一挙に暗い大劇場に変身してしまったのを見た。

波の音とリズムが心地よく、黒くなった青空に突き刺すサーチライトが綺麗で、いつまでも、このランズ・エンドを楽しみたい気分だった。時間が許せば、もう2時間ほど、海を眺めて居たかった。

英国のランズ・エンドは、「地の果て」であるという不便さを逆手にとって、観光の拠点にのし上がった。銚子も東京から程よく離れていることで、地方ということを程よく実現している。ランズ・エンドとしての利点というものが実際にあるのだと思う。これからも、このことは銚子の位置を有利に導く可能性を秘めていると思われる。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。