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2008/01/27

多難な試験監督

昨日まで大学院の試験が行われていたが、きょうからは学部の試験が始まり、さっそく最大人数が出席する日が来た。学習センター年間歴の日々のなかでも、最も多くの人が来る日である。

わたしの試験監督もきょうから始まる。昨日の原稿書きの静かな一日と打って変わって、喧騒の一日となった。

一般の大学では、講義したクラスの試験監督はその先生本人が担当する慣例であり、人数の多いところでもせいぜい会場をすこし増やすぐらいだろう。ところが、放送大学の試験は全国各地で優に50を超える会場で同時に行われているのだから、ひとりの先生で対応できるものではない。そこで当初から、専任の先生方と職員の方、それに補助者の方がたの総動員体制で、試験監督が行われているのである。

全国に亘っているから、そこには予想もつかないようなリスクが伴うのだ。交通事故が起こったり、雪が降って電車が止まったり、大量の質問が集中したりなどなど。大学入試のセンター試験を行っているのと同等なのだ。こんな大規模な試験を全国で実施しているのは、センター試験を除いたら、予備校の全国模試くらいだ。1大学で実施しているというノウハウだけでも、相当なものだと思う。

最近、S大学が通信制で、学生の本人確認がなされていない、ということが新聞ダネになったが、放送大学では試験の時には必ず本人確認が行われるので、二重、三重にチェックされており、少なくとも一度も本人確認が行われずに、単位をとることができるということは、決して起こらない。

それにもかかわらず、小さな事件はつぎつぎに起こる。1時間目のことだ。収容人数が100名を超える部屋を担当していた。それで、出欠をとって、本人確認を試験中に行わなければならないのだが、当然時間が足りなくなって、受験生の退出時間に間に合わなかった。

それは退出時間を、監督者の権限で遅らせればよいのだが、学生にとってはなるべく早く講義室を出たいらしく、ときどき苦情となる場合がある。そこで、ちょっと冗談を加えたエクスキューズを述べたら、珍しく受けてみんな笑ってくれた。

このようなときには、言葉というものがあってよかったな、と本当に思う。ちょっとした言葉が、その場の雰囲気を変えてくれるのだ。

午後になって、もうひとつ事件が起こった。監督する講義室に入ると、ピーという高音がずっと鳴り続けているのだ。学生の何人からも、指摘を受ける。そこで最初はオーディオの雑音かと思い。すべてのスイッチを切るが、まだ鳴り止まない。エアコンか換気扇かということで、電源を落とすが、やはり駄目である。部屋全体がウェーブのような超音波に包まれているのだ。

まだ始まってそれほど経っていなかったので、最後の手段ということで、試験室を換えてみた。ところが、それでも鳴り止まないのだ。どこかセンターの外から妨害電波でも出ているのか、と邪推したくなるほどだった。

そうこうしている内に、教務のNさんが飛んできて、原因を教えてくださった。いったい、何だったと思いますか?

じつは学生の補聴器の音だったのだ。これはいろいろの意味で、放送大学らしい事件だったと思う。

先日、わたしの耳が悪くなったと、ここで書いたら、皆さんから哀れみのお言葉を頂戴した。しかし、きょうはしっかりと高音部が聞き取れていた。わたしの耳もまだまだ捨てたものではないことを知って、まんざらではない気分だった。他の受験生には災難だったけれど。

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