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2008/01/13

修士論文の面接審査

ことしも修士論文審査の季節がやってきた。先生方は、ほぼ一日、面接会場に缶詰状態で、審査が行われる。

どういうわけか、ここ二、三日は寒い日が続いていて、きょうも風が冷たく、30分ほど歩いてきたのだが、すっかり身体が冷えきってしまった。学生の方がたは、寒さにもめげず、それぞれの会場に分かれて、ここ数年間の成果を発表なさっていた。

毎年、電話帳ほどの厚さの論文があるかと思えば、薄いが内容が濃い論文もある。おそらく、日本の大学で一番バライエティに富んだ修士論文が集まると思われる。もちろん、それは量の問題ではなく、内容の問題だが。

それで、審査については、非公開で行われているので、ここで書くわけには行かないが、論文内容については、図書館で公開されたりオープン・フォーラム(修士論文の抜粋論文集)で発表されたりするので、部分的には知らせてもよいだろうと思われる。

審査論文のなかで、いかにも放送大学らしい論文をひとつ紹介したい。F氏が「自動車税の徴税コスト」に関して書いたものである。結論は、現在滞納率がたいへん高い自動車税の徴収方法を改めて、車検更新と同時に納税するシステムを導入すべきだとしている。

この方法を取り入れるならば、もし滞納すると車検の更新ができないので、ほぼ100%徴税することができ、格段の徴税コストを節減できることになる、という提案である。論旨は明解であるし、集めた資料も一次資料で専門的なもので、証拠として十分なものであった。

ここで予言しておきたいが、おそらく数年後には、F氏の言うことが実現されるのではないかと思われる。自動車税徴収については、何らかの改正が起きる可能性が高いと前以て言っておきたい。それほど、実践的な論文であった。

このような経験的な論文は、おそらく他の大学では、それほど見られないものだろう。もっとも、あまりに経験的過ぎると、論文としては価値が減る場合もあるので、注意が必要なのだが。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。