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2007/11/27

健康診断の憂鬱さ

きょうは健康診断の日だ。じつは来年には、他人に対して、健康と消費の調査を行おうとしている。このような者が、自分の健康診断も行っていないのはおかしい、と思い、自分の本性は嫌がっているものの、無理を言い聞かせて、朝早くに家を出る。

放送大学の社会と経済専攻の先生方のなかには、5年ぶりだという先生がいたり、毎年1泊の人間ドックを予約して念入りに調べたりする先生がいて、健康についての対応はさまざまである。

特別にポリープが見つかったり、白内障になったりした方は、緊急の対応が必要だと思われる。けれども要するに、先生がひとりでも抜けてしまうと、現在の教員組織はきちきちの状態で仕事を回し合っていることもあって、他の先生方にとってかなり痛いのだ。それを避ける程度に、いわばコミュニティとしての健康維持が求められている、というのが実情だ。健康は「社会的に」維持されるのだ。

放送大学の職場はあちこちにあるので、どこで受診しても良いのだが、今年は久しぶりだったので、負担軽減のために、家の近くで受けることにする。

夕べはK大学でたっぷり夜まで講義を行ったので、その後に、朝食抜きできょうの昼まで、検査を行わなければならない。これまで経験したことがない痰や便の検査まであって、フルコースのメニューだった。

とくに、胃の検査で、バリウムを飲むのが苦手である。良くジュースみたいで美味しいよ、という人がいるが、思わず顔を見てしまう。前後に飲む胃を膨満にする薬がとくに嫌で、ゲップが止まらず、どうにも仕方がない。

そのうえ、パジャマに着替えさせられて、(心地よい音楽がかかっているところまでは良かったが、)機械のうえで、仰向けになったりうつ伏せになったり、右45度左60度、立て膝をしたり腰を捻らされたり、これでは、まるで宮沢賢治の「注文の多い料理店」ではないか・・・。

その結果、何がわかったかというと、詳しいことは報告を見なければわからないが、物理的な検査の範囲では、まず体重が増えた。隣に座っていた若い女性たちは、2キロ増えた減ったと騒いでいたが、こちらはなんと4キロ以上増えていたのだ。これは問題だ。

さらに、重大なことには、右の耳が高音部を聴き取っていないことが判明した。道理で、妻の言うことが遠かったはずである。健康相談の医師は、老人になるとやや弱くなることもありますから、と言う。齢をとったと言われるより、病気だと言われたほうが、マシである。

Corner バリウムの気持ち悪さがずっと続いてしまったので、関内までは出てみたものの、喫茶店から離れられなくなってしまった。しばらく落ち着くまで、持って来た本を読むことにする。いつでもどこでも仕事、仕事。

Illいつもの馬車道の喫茶店で、アメリカンとシナモン・レーズンのパンを食べて、かなり長居をする。この写真では、電気の笠が白く写ってしまっているが、ほんとうは緑の優しい光なのだ。かえりは、すっかり暗くなっていて、伊勢佐木町のイルミネーションが青く輝いていた。ブルーライト・ヨコハマという趣向なのだろうか。

社会科学系に強い古本屋さんがあって、ちょっと寄ると、流行論を書くときにお世話になったガブリエル・タルド『模倣の法則』の9月新刊本が早くも古本で出ていたので、購入する。20年代に出た風早訳では、模倣の効果のところで、図が載っていたような気がするが、今度の新訳では一切載っていない。原書ではどうだったのだろうか。

きょうはかなり分厚い本を一冊読み終えて、他のかなり分厚い本を新たに購入し、両方で得した気分で、家路に着く。もちろん、伊勢佐木町をずっと遡って、黄金町まで歩く。これで、朝、坂東橋から歩き始めたので、ちょうど横浜中心部をぐるっと一回りしたことになる。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。