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2007/11/11

卒論提出最終日の前日

「卒論」は、いまでも大学で象徴的な意味を持っていると思う。その学生の大学生活のあらゆることが、卒論の文章のなかに集約され、織り込まれることになるからだ。(関係ないかもしれないが、このブログの題名のInterwovenの意味もこのような「織り込まれ」にあるのだが。)

それで、卒論を書くぎりぎりの要件には、どのようなものがあるのだろうか、と考えた。卒論を書くことができるのは、この忙しい現代にあっては、かなり「特権」であると思われる。仕事から離れ、家庭から逃れる特別の権利を、卒論執筆に入ったと同時に与えられるからである。その特権を行使する事ができるには、やはりそれなりの資格・要件が必要である。

まず、年齢はどうだろうか。今年は70歳以上の方がたが、このゼミナールでふたりも卒論に挑戦している。たいへん厳しい身体的、精神的条件のなかで頑張った。たとえ、途中で挫折しても、頑張ったことは記憶に留めておきたい。

このお二人とは違うが、先日紹介したKさんは、80歳を超えるなかで、卒論、修論、そして博論までこなしたから、ちょっと別格だが、それでも80歳を過ぎてからも、論文を書こうというのは、書きたいという意欲だけでも立派なものである。したがって、年齢はまず要件として関係ないだろう。

健康は必要だが、それでも書くだけの最小限の健康さえあれば、書くことに支障は無いはずである。

つぎに、「文章をうまく書くことができる」という要件はどうだろうか。これも、卒論作成の過程で、みんな習得していくので、徐々に進めれば障害とはならないだろう。文章というのは、一気に書いたあと、すこしずつ修正できるというメディアなのだ。再帰性を最大限発揮できる道具である。

さらに、パソコンの発達は、卒論をより書きやすくしている。この点では、80歳の方もパソコンができれば、かなり有効な手段となりうるはずである。残念ながら、今回はその方がたは手書きで挑戦したために、かなりの労力を費やす結果になったが、手書きでも十分ものになるはずだ。

あとは、やはり卒論を書くんだ、という強い意志は、最低限必要であろう。もし卒論を書く要件で、何が一番大事かと問われるならば、その人の書くに至る「必然性」であるということだろう。なぜ書かねばならないか、という点で迷いがないほど、書き続けるという信念に勝るものはない、と思う。

きょうも研究室に来て、最後まで頑張って、卒論を仕上げた高齢のTさんを心から称えたいと思う。たいへんだったが、実り多い一日であった。

午前中には、神奈川学習センターの同窓会・同好会の面々が揃った会に、H先生、K先生、それに新しく加わったKさんと一緒に出席させていただいた。

いよいよ神奈川学習センターの「サポーター制」なるものを立ち上げる時期に至ったのである。詳しい事は、またポスターなどが仕上がった段階で発表いたしたい。乞うご期待。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。