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2007/11/24

近代の遺構

Img200711241横浜の近代になにが起こっていたのか、というテーマは、考えていると尽きることがない。昨日の新聞記事がどうしても気になって、やはり朝、山下町まで出かけてしまった。数十年前の遺構が、現代のビルと対照を成していた。

たくさんの人びとが押しかけることは、わかっていたが、それを上回って、主催者側の準備が行き届いていて、快適に観て回ることができた。数百人の群集を捌くことに慣れているようだった。レジュメもカラー写真入りで、たいへんわかりやすかった。

Img_03891新聞には、外国商館54番館と55番館が記されていたが、実際にいってみると、48番館のモリソン商会がとくに統一が取れていて、全体がわかる遺構であった。

わたしのように、「アームチェア」に座って物事を考えようとする傾向の強い派の者が、なぜこのような現物の世界に、足を踏み入れなければならないのか、ということは、最近よく考える。

Img_03961_3頭のなかで、法則性や抽象的なことを考える。たとえば、 数学者が推論を行うように。けれども、それらが現実世界でいかに帰結するのだろうか。この点については、何らかの形で驚くべき事実と結びついていることも確かだ。観ていると、このような現実が、どうしても存在するし、思考にとっても必要なのだ。

理論的なつじつま合わせを行うにしても、現実と想像を結びつける道筋が大切なのだが、それにはこれら両方が揃ってはじめて成り立つのだと、思っている。

Img_04091_3レンガの呈示する現実は、とくに面白かった。レンガの積み方に意味があり、平板に積み上げられているばかりではないらしい。とくに、55番館のコッキング商会には、蒸気機関があったらしく、残された版画でも、煙突が二本描かれ、工場然とした店構えだが、そのレンガ積はピラミッド形式になっていて、上の重量を分散する構造になっている。

レンガだけが残されていると、やはりその上になにが乗っていたのかが気になってしまうが、これほどたくさんのレンガ積の建物でも、地震には弱かった。おそらく、崩れたレンガが建物を覆いつくして、それが遺構として残されたのだろう。

レンガは、建物があるときには、それを支えたが、建物がなくなってからは、その遺構を覆い保存した。やはり、レンガ文化が明治期に日本に入ってきてから、日本の建物の考え方がかなり変化したということだろう。

071124_1053011数十年後に、このように残って姿を現したのは、レンガという素材があったからだといえる。東京の小菅でレンガが作られたらしいが、詳しくはわからない。その後、横浜のレンガも作られ、白いレンガにYOKOHAMAと刻まれたものも出土している。これは、きれいなレンガだった。(残念ながら、デジカメのメモリ不足で撮れなかったが。) そして、異国趣味のタイルにも、きれいなものが多く出た。写真のデザインは、どの国のものだろうか。

帰りに、当時のことが一望できる「横浜都市発展記念館」で、おさらいをして、ちょうど横浜明治のインフラを特集していたパンフレットを売っていたので、購入する。昼食は、馬車道へ出て、安い西洋料理のランチをいただく。鱸のポワレが美味しかった。

午後は、調査の打ち合わせがあったので、神奈川学習センターへ戻って、仕事をする。慣れぬことをしたせいか、足が緊張して、腫れが引かないのが情けない。考え方の違いではなく、この辺がフィールドワーカーとの決定的な違いかもしれない。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。