« 卒論提出最終日の前日 | トップページ | 映画「ビーナス」と文豪「漱石」展 »

2007/11/14

中学生のインターンシップ

近くの中学生が放送大学の見学にやってきて、教授会や放送スタジオや放送局を、二日間にわたって見て回った。

大人が働いているところを見て見よう、という世間の流れが、放送大学の職場にも押し寄せて来たのだ。男の子と女の子のふたりだったが、女の子はメモを取ったりして、さすがに優等生の雰囲気を持っていたが、男の子のほうは文脈の分からない、面白くない議論の続くときには、ちょっといらいらするらしかった。けれども、ふたりとも笑顔が可愛かった。職場を開放してみせるのは悪くない企てだと思う。

英国ケンブリッジのキングスカレッジへ行ったときに、見学者の列がずらっと並んでいて、たまげたことがあった。大学とは、勉強に行くところであって、観て回るところではない、と思っていた。けれども、そこの大学生では理解できないような、観てみたいと思われる場所、というのか、遠くにいて想像していたところ、というのか、とにかく、何やら知らないことが行われている場所として、大学の現場にみんな興味を持つのだ。

ケンブリッジでは、そのような大学のキャンパスツアーがひとつの産業になっていて、ゴンドラに乗せたり、聖堂を見学させたり、学生たちのよいアルバイト先になっていた。

放送大学にも、このような面白いところがたくさんある。今回光栄なことに、中学生のインターンシップの回って歩くいくつかのコースのなかに、わたしたちの来年度制作科目『市民と社会を生きるために』の「教材作成部会」が組み入れられた。

そして、20分ほどのほんのわずかな時間ではあったが、放送教材のディレクターEさんや、印刷教材の編集者Mさん、教務課のKさん、そして主任講師のN先生、T先生に混じって、説明を聞き、質問して帰っていった。

Mさんや、Eさんは、このときとばかりに、先生方の原稿提出が遅い事や、NHKのテレビと、放送大学のテレビとの制作作法がまったく違う事など、恨み(?)をちらつかせながら興味深い語り口で、エピソードを交えて紹介していた。(もちろん、ここに出席の先生にはそんな事はないよ、とひと言注釈を入れてくれていたが)このようなときに、思いがけず本音が出るのだ。

また、T先生も中学生向けの職業紹介を行ってくれたが、くれぐれも放送大学の先生にはならないように、というアドバイスを加えていた。わたしも、チームワークの観点から、放送の仕事をフォローしておいた。一般の大学と放送大学と根本的に異なるのは、やはり放送を使った授業の作り方だと思われる。

午後には、中学生たちは、教授会にも出て、学長の紹介で、盛んな拍手を浴びていた。最後まで聞いていれば、面白い意見の応酬を見ることになったのだが、中学生たちは途中退場してしてしまったので、その議論バトルを観ることはなかった。

総合学習が縮小されていくなかで、このような機会はたいへん貴重だと思った。それは彼女たちにとってもそうだが、放送大学にとってもそうだと思われた。将来、彼女たちが放送大学に職を得て、わたしたちと一緒に働くことになるかもしれない。

« 卒論提出最終日の前日 | トップページ | 映画「ビーナス」と文豪「漱石」展 »

大学関係」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173786/17076949

この記事へのトラックバック一覧です: 中学生のインターンシップ:

« 卒論提出最終日の前日 | トップページ | 映画「ビーナス」と文豪「漱石」展 »

社会経営研究配布中

  • 2015study

社会経営ジャーナル配布中

  • 2015journal

開いている講義    「社会的協力論」

  • cooperation

「音を追究する」第13回・第14回

  • art

「多様なキャリアを考える」第2回・第3回・第4回

  • cooperation

「グローバル化と私たちの社会」第11回

  • cooperation
2017年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ

Recommend

プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。