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2007/10/20

バーナード・リーチの楽焼

締切というものがあるから、論文を書く気になるのだ。学生の方や、他の人のことをとやかく言うより、自分の締切が気になる今日この頃である。それで、きょうは1ヶ月後に締切が迫った卒業研究のゼミナールがある。

茗荷谷の東京文京学習センターへ出かけた。みんなで集まるのはこれが最後だから、昼食を一緒に食べようということになり、午前中に1人の発表を済まし、ゆっくりと散歩しながら、ゼミ生全員で播磨坂にあるパスタ屋さんTantaRobaへ出かける。

先日は予約が一杯で断られてしまったが、きょうはすんなりと席を占めることが出来た。ランチメニューは、カジキマグロと、カラスミのかかったシンプルなパスタ、それにハムとサラダと温野菜が、大皿に盛り付けられているものだった。評判に違わず、美味しかった。それに、桜並木に向かって開け放たれたベランダ続きの店構えがたいへん良い。

開放感があるから、ゼミの面々とのおしゃべりも十分に楽しむことができた。昨夜ゼミのレジュメを切りながら、このブログを読んだとおっしゃるKさんが、白洲一族の性格のところが気になり、「日本人の類型」ということを話題に取り上げたりして、話が弾んだ。

昨日も気になっていたのだが、やはり白洲一族は金持ちで上流なので、海外留学もでき、日本人のなかでも国際派を形成することができた、ということは認めなければならない。けれども、後世にとってみるならば、上流であれ下流であれ、日本人の可能性には変わりはないだろう。日本人全体にとっての生活・考え方の幅を広げることができたのではないか、ということだと思う。

白洲次郎に典型的に見られるように、人間には「発展のパターン」というものがあると思う。たとえば、すこし強引な話のずらし方であるが、論文の例に換えて考えてみたい。最初はなかなかうまくいかない。資料収集にしても、構想にしても、文章にしても、まったく五里霧中の状態だ。延々と続けても、ずっと低迷が続くのだ。そのようなパターンもある。

きょう、家に帰ったら、ちょうどクリント・イーストウッドの『ミリオン・ダラー・ベイビー』がテレビでかかっていて、ロードショーをみたにもかかわらず、再度観てしまった。そこで、主人公の女性ボクサーがこれまた延々と練習、練習を続けるのだ。32歳になっても、練習を続ける。

基礎練習を続けていると、最初は低迷状態から脱することはできない。ところが、ある時期になると急に累積的な発展が生じ、目に見えて指数的な曲線を描くように急上昇の気流に乗っていくようになる。論文の場合、いつそのようなブレイク状態になるのかは、まったく予測できない。けれども、きっとそのようなときが訪れる。

学習曲線というのがあって、何事を習得するにも、S字を描くのだ、と言われた。このS字曲線だと、途中で中休みというか踊り場があって、一時的に停滞した後、再び急激な発展に転ずる、という発展パターンを示す。

けれども、おそらく、S字理論よりも、むしろ最初も停滞し、途中までも停滞は続くが、そののち指数的な大発展をとげるモデルのほうが、一般的ではないかと思う。なぜそうなるのかについては、諸説があって興味深いが、またの機会に考える事にしよう。

さて、ゼミ発表のほうは、最後なのでたっぷりと時間をかけた。結局終了したのは、午後5時前だった。じつは、きょうはこんなに遅くなるとは思っておらず、展覧会へ寄る事にしていた。もう間に合わないだろうけど行ってみよう、と駆けつけたのだ。

汐留の松下電工ミュージアムで、バーナード・リーチ展が開催されている。6時までだと言われたが、5時半を回っていて、どうしようか迷ったが、無理して入館する。メインのものは、日本民藝館や京都の大山崎美術館で見たことのあるものであったが、それでも見過ごしていたような佳品が数多く展示されていた。

Leach なかでも、兎模様の楽焼は良かった。先日のセントアイブスのアルフレット・ウォリスにも通ずるのだが、部分部分がそれぞれ分離して、勝手に動いているが、全体として調和している。そのような構図が自由さを現しており、それを古い技法で再現しているところがたいへん素晴らしい。

それから、お土産にリーチ特有のデザインが描かれた小皿を購入した。これに何かをいれると、せっかくの模様が隠れてしまうので、何を入れたらよいのか迷っている。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。