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2007/09/25

ピーター・ラビット

ピーター・ラビットが家の垣根を飛び越えて、内に入り込んできたのは、娘が生まれたときだった。例のうすいブルーのジャケットを着ていて、いたずらっぽい目が印象に残った。

夜になると、絵本のなかから現れて、娘の寝床を走り回った。いつの日か、その小さな絵本は、本棚の隅っこに追いやられてしまったが、それでもときどき夢のなかに登場してきた。

二番目に、ピーターが我が家へ現れたのは、子供用の陶器に乗ってきたときだ。妻が、ピーター・ラビットの描いてあるカップ&ソーサーを買ってきて、たいへん使いやすかった。大きさがちょうど良くて、手に馴染むものだった。朝食のとき、コーヒーと卵料理にぴったりだった。

ウェッジウッドがそれを作っていて、なぜ高級ブランドが一般向け・子供向けを作るのか、最初は理解できなかった。英国のポタリー地方へ放送大学の取材で出かけたときに、ウェッジウッド本社の博物館を訪れた。

本社工場は、縁を必ず金メッキで飾るような高級ブランド品を中心に製作していた。こちらでは、金メッキのない陶器は作っていないのですか、とたどたどしい英語で尋ねると、曖昧な笑顔で返されてしまった。

その後、英国各地に散らばるウェッジウッド工場を訪ねる機会があって、19世紀以来のブランド戦略を理解することになった。これらについては、一度書いたこともある。

三番目は、映画「ミス・ポター」である。この映画は、ピーター・ラビットの作者ビアトリクス・ポターを描いたもので、自分のやるべきことをとことん行うという英国気質がよく表われていたと思う。19世紀における微妙な階級制についての考え方と描き方も、興味深かった。

そして、なにより、当時の印刷工場の描写があって、インクの染みがつくような書籍の製作場面には、いちど立ち会いたいな、と思わせるものだった。日本には、このような印刷工場は現在残っているのだろうか。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。