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2007/08/02

試験監督の楽しみ

試験監督も三日目になると、そろそろ飽きてくる。というと、受験者に失礼になることは重々わかりつつも、何もしないで三日間、教室に缶詰になる気分を想像していただければ、わかっていただけると思う。(教務の職員は8日間、試験本部に詰めっきりだから、わたしの比ではないのもわかっているのだが・・・。)

試験監督は、忙しいように見えるがそんなに忙しいわけでもない。かといって、忙しくなさそうに見えて、じっさいにはチェックすべきことがあって、刻一刻と緊張を強いられる。

義務だからやっているのであって、責任がなかったならば、すぐにも放り投げてしまいたい種類の労働であることは間違いない。けれども、公平を規すためには、誰かがやらなければならないのだ。

もっとも、気分は持ちようであって、こんなときでも楽しみがないわけではない。放送大学は通信制大学なので、学生にまとめてこんなに会える日はそう多くはないのだ。

学生の意見を聞くチャンスではある。

試験会場に行き、問題用紙を配って、開始時間になるまで5分くらい沈黙の時間がある。このときに、何か言うのは不謹慎極まりないのはわかっているのだが、やはり退屈の虫には勝てない。

きょうはちょうど、放送大学の多くの先生方が参加して、特別に制作した共通科目授業の試験に当たっていた。そこで、授業を聴いて、多くの先生が加わっていて、(1)もっと少人数の先生で制作して欲しかった。(2)多くの先生で良かった。

このふたつの選択肢を選ばせた。この教室のほぼ9割が(2)を選んだのだ。これから受験するので、多少の配慮があったとしても、この数字は圧倒的だ。

ちょっとショックなこともあった。わたしの科目はずっと論述形式の試験を続けてきている。そこで、択一式が良いと思うか、論述式が良いと思うか、と聴くと、ほぼ7対3で、択一式を好む受験生が、その教室では多数を占めたのだ。

もちろん、これらは正式のアンケートではないから、この結果からだけからは判断は難しい。そして、おそらく教室によっても、この数字は異なるし、時間がたてば、変化することも間違いないだろう。

そうそう、それから意外だったのは、字数制限の感覚についてである。論述形式で、800字以内と指示されている試験があった。そこで、800字以内と書いてあれば、わたしたちの感覚では、600字程度より少なかったら、おそらく減点の対象にしても良いだろう、と考えている。ところが、多くの学生は、800字以内というのは、あくまで「以内」であって、400字でも500字でも良い、と考えているらしいのだ。

ふーん、そうなのか。

(じつは、わたしの科目では、偶然にも「600字以上800字以内」と指定している。したがって、内容が最も重要であるのだが、形式的には600字未満だと減点の対象になるのだ。)

このように、試験前のちょっとした気晴らしとして、学生の意見を聞く機会を持てるというのは、たいへん良いことだと考えている。試験監督の役得のようなものだと思っている。くれぐれも、変な教員に変な質問をされたから、試験の成績も悪かったなどと思わないようにお願いするしだいである。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。