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2007/08/24

明治時代の統計

Zaimu 財務省の貿易統計閲覧室へ行ってきた。

財務省の本館3階から合同庁舎4号館へ通ずる通路を行くか、それとも、直接合同庁舎4号館の2階へ行く。単に、統計を見るだけなのだが、身分証明書を提示し訪問先確認を行わなければならない。面倒だが、重厚な建物と、日本の予算執行の中枢を見学するための手間だと考えれば、すこしは気分は和らぐかもしれない。

閲覧室のドアを開けて入ると、その様変わりにびっくりした。

大学院生時代にアルバイトで貿易統計を操らなければならなくなって、数日間ここへ通ったことがある。当時は、輸出入の速報値を得るにも、直接ここへ足を運ばなければならない時代があったのだ。

そこで、証券会社、新聞社、放送局などなど、ビジネスに関係した機関が毎日押し寄せていたのだ。行列をしていて、並んで順番を待たなければ、統計表を手にできなかった。

いまでは、インターネットに数年間分の詳細な数値が載っているので、ここへ来なくとも見ることができる。だから、閲覧室には、係りの方がひとりぽつんといるだけで、コピーをとる必要があるときに限って、コピーの係が駆けつけてくる。

じつは貿易統計というのは、日本でももっとも歴史のある統計で、すでに江戸の末慶応年間からとられているのだ。したがって、特色ある商品の輸出入を追うことによって、日本経済の推移を知ることができ、たいへん便利な資料なのだ。明治や大正、昭和初期の経済を考えるときに、ときどき利用している。

もちろん、国会図書館へ行くという方法もあるが、夏休みでたぶん相当混んでいるだろうと思い、こちらの閲覧室を、昔のよしみで選んだ次第だ。

空いているという点ではここへ来て正解だったが、マイクロフィッシュの状態が悪く、ところどころ脱落がある。利用されているうちに劣化したのだろうか。はたまた、当初からの資料収集状態が悪かったのだろうか。

それでも、古い資料の場合には、この程度の脱落は我慢しなければならないだろう。原本の状態の悪さはどうしようもない。当然、このように古ければ活字も潰れているので、注意が必要だ。表に書き入れるときには、縦横の数値と総計を確認しながら、行わなければならない。昔を思い出すなあ。

統計は、このような一般的なところから、自分の関心のあるところへ変換するときに、表情を変えるのだが、その一瞬が楽しい。今日も、その瞬間がぱっと現れたのだ。(中身については、11月に横浜市立中央図書館で行われる横浜市「リレー講座」でお話しする予定である。)

ひとりもいない閲覧室で、特権を行使していたら、夕方になって仙台からわざわざ統計をコピーに来た御仁がいて、どうしても今日帰らなければならないという。マイクロフィッシュのコピー機械は1台しかないのだ。

じつはわたしも午前中から潰れた活字を再三見ていたので、すっかり疲れてきたところだった。今日の時間をやりくりしてきた、などとゴネルことはせずに、快く譲った次第である。

Kokkai 財務省3階には、UCC珈琲が入っていたので、帰りの一杯はここのアメリカンを。国会議事堂を臨みながら飲むことにした。統計資料を確認しながら、しばし明治、大正時代の雰囲気を楽しんだ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。