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2007/07/27

大学のなかの企業家

企業的大学のモデルが、経済学者ヴェブレンによって、20世紀の始めに示されてから、大学のなかで活躍する企業家は常識的になっていた。けれども、やはり大学は聖域であり、世俗化から離れたところで存在するものだとする主張にもまだまだ強いものがある。

日本でも、大学のなかで活躍する企業家的な先生方は、現在ではかなり多くなってきている。けれども、自ら大学の企業家を名乗る人はまだ数は少ない。

きょうは、このような積極的な大学内企業家として、草分け的存在である、東大のS先生に会いにいった。一度、どのような仕事ぶりなのかを見学させていただきたいと常日頃から考えていた。

今回、ひょんなことから、大学の仕事として、秋葉原にあるS先生のワークショップを尋ねることになった。

第一に、人を呼び寄せる工夫のあふれる部屋にびっくりした。予算の掛け方が違うな、という感想である。秋葉原の駅前の一等地にあるビルの5階にその事務所はあって、絶えずビジネスや大学の客が訪れているようである。

たとえば、無垢の柱を組み合わせて作ってある10メートルもあるような長テーブルがどんと置いてある。さらに、小さなサークルに分かれて話し合いができるようなスペースが二、三置かれていたり、さらに半閉鎖的な隠れ家を連想させる作業机のスペースも使いよさそうだ。

第二に、稼働率がかなり良いのに驚いた。次から次へ、客が訪れるのだ。それは、やはり立地の良さを反映しているのだと思われるし、また他の利用者にもすこし開放しているようだった。わたしたちが伺ったときにも、ちょっとした打ち合わせが行われていて、自由な公共的な空間を作り出している。

そして、打ち合わせが終わって、帰るときには、寄せ書きに言葉を書くように、要請された。このような細かい心遣いが、このワークショップを支えているのだな、という感想を持ったしだいである。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。