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2007/07/26

見せびらかしと張り合い

見せびらかしと張り合いの世界として、京都の「お茶屋遊び」は面白い題材だと思う。

映画「舞妓haaaan!」は興味深いところを狙っていて目の付け所が良いと思った。現代にあって、庶民的な見栄の世界はたくさん見ることができるが、いずれも日常の小さな見栄ばかりで、見せびらかしに値するものは、今日非常に少なくなってきているように思う。

そのような現代にあって、「お茶屋遊び」のなかには、古く懐かしく伝統的な見せびらかしと張り合いがまだ生き残っている、という視点は素晴らしいと思う。

その習慣が映画のなかでは、面白おかしく描かれている。とくに、力が入っていて、理解されるのに時間がかかっているのが、「一見さん、お断り」という風習である。

上手く遊ぶには、「信用」が重要であり、一見さんには遊ぶだけの信用がないと言い切っている。遊びにルールがあるという考え方が、「お茶屋遊び」にはとりわけ効いているように思える。

この信用を可視化して表したのが、お茶屋なのだと思われる。

けれども、この映画に没頭するまでに、いつも以上に時間がかかってしまった。この映画の始め部分の感覚には、やはり世代の差を感じてしまう。

なぜあのようなオタクの自分勝手な主人公に対して、柴咲コウ演ずる富士子が好きなのかわからない。うるさいだけの主人公が、他の人を動かして、共同作業を行うようになることに発展するのが、ほんとうにわからない筋書きなのだ。

けれども、伊東四郎の社長さん、吉行和子の置屋のお母さん、そして植木等の粋な通行人は、みていて安心する。この映画のオアシスとして楽しめるのだ。値千金の演技だったと思う。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。