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2007/07/07

紅色のジャガイモ

Img_1709 神奈川学習センターのN氏から、紅色のジャガイモとメイクイーンをいただいた。家の畑で作ったそうで、センターの方がたに10個くらいずつ配っていらっしゃった。相当たくさん栽培したようだ。

紅色のジャガイモは、原産がアンデス山脈で、インカ帝国に由来するらしい。

わたしの田舎では、小さなころ、芋ほりといえば、サツマイモのことを言っていた。毎年、町内会で出かけて収穫し、そのまま焚き火に放り込んで、焼き芋を作るか、あるいは、バーベキューで焼いて食べるかすることになっていた。芋ほりは、集団で行う行事として存在していた。

ところが、あるころから、芋ほりはジャガイモになった。最初は、小学校4年生のとき。クラス担任のS先生が、信州の松本近郊の農家出身だった。笑い顔のとても素敵な先生で、自然のなかで、輪になってしゃべっていると時間を忘れるほどだった。家に、クラスみんなが招かれて、芋ほりをした。それがサツマイモではなく、ジャガイモだった。

やはり、焚き火に投げ込んで、バターをぬって食べた。ジャガイモがこんなに美味しいものだったのか、と再認識したときだった。わたしの家の周りもかなりの田舎だったので、自然で美味しいものには、事欠かなかったが、ジャガイモはなかでも特別な位置を占めている。たぶん、S先生とそのクラスの思い出と一緒になっているからなのだろう。

S先生の実家は、農家でも特別に大きな家だった。玄関に通ずる並木道にこぼれ陽が当たって、広く掃き清められた庭に、クラス全員が一杯に広がっても、まだ余裕があった。帰りに、渓流となっているところに、桑の実やスグリの実がなっていた。

都会に住んでいると、このような田舎の豊穣さに思いをいたすことは少ないが、都会からちょっと離れただけで、ほんとうに豊かな生活があるのだと、10歳のころになって、ようやく知るようになった。ジャガイモは、そういう意味でも、わたしにとって豊穣さの象徴でもあるのだ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。