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2007/07/09

大学フェア

最近、大学フェアと称して、学生募集のための展示会が盛んに行われている。フェアというのは、経済学者にはおなじみの「市」という言葉に当たる。ふつうは、商品取引の場として、フェアが設けられる。だから、厳密に言葉を問題とするなら、大学フェアというのは水と油をくっつけたような言葉だ。日本人は、カタカナに寛容なので、成り立つ言葉なのだろう。(と言いつつ、用例を見てみると、米国でも結構使われているみたいだ。)

さて、横浜市のパートナーシップ協議会主催の大学フェアが、横浜駅近くの「そごう」デパートまえで行われ、神奈川学習センターもパネル展示で出展した。横浜でも最も人通りの多いところで、会場としては申し分のないところである。

職員の方がたが交代で説明に当たっていたので、応援にはならなかったかもしれないが、元気づけに立ち寄った。一般の大学が多く参加しているので、高校生がたくさん来ていると思ったが、意外にも一般の人びとが各大学の案内に訪れていた。

なぜ今どき、このような大学フェアが流行るのだろうか。大学が熱心であるばかりでなく、これを横浜市という公共団体がなぜバックアップするのかというところが、興味深い。横浜は、「大学都市」という宣言をしているところでもある。

ひとつには、社会人による生涯学習への関心が高まっているからである。一般市民が再び大学へ行く時代を迎えているのだ。ふたつに、一般の大学も少子化の影響で、成人教育に熱心になってきている。いわば、「生涯学習」モデルは、大学のビジネスモデルの中核になってきているのだ。

以上から言えるのは、みっつに、国立も公立も私立も、市民の大学という意味が大きくなった。そのため、大学は地域社会での公共的な位置づけを受けるに至っているからである。

つまり、このことは、生涯学習という意味では、放送大学と一般の大学との区別が、なくなってきていることを意味している。まだまだ、一般の大学で、生涯学習大学ということを名乗る大学はすくないが、放送大学に近いところを目指す大学が、そのうち出てくることは必至である。

そのときにあっても、放送大学はまだ「生涯学習」の大学としての優位性を持っているのだろうか。現在はまだ、一歩先を走っていて、いろいろと施策を試す余裕がある。この余裕があるうちに、放送大学にとっての生涯学習とはなにか、という根本的なことを考えておきたいと思ったしだいである。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。