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2007/06/07

プロジェクトが生まれるとき

研究テーマを自分で選ぶときは気軽に設定でき、気楽に廃止できる。けれども、ひとたび他のひとを巻き込むときにはすこし覚悟が必要である。これまでも、何回も痛い目にあってきた。とは言いつつ、止められないのがプロジェクトの面白いところだ。

Eさんから、美味しい店があるので出てきませんか、と久しぶりにお誘いがかかった。上野での弟さんのコンサート以来である。いつものように、健康科学専門のU先生を交えた会となった。ちょうどよい機会が到来した。

横浜では、何か新しいことが始まったり、始めたことを祝ったり、そして終わりにするときにも、理由を見つけては、中華街へ繰り出す習慣がある。この街は、全体が華やかで、いつもお祭りみたいで、何かやるときには後ろから押してくれる。

最近はあまりに街全体が整備されてしまって、表通りの大店が目立つようになってしまったが、通りを曲がると、わたしのような懐具合のものでも受け入れてくれるところがある。独立オーナー系のこじんまりした店が小さな活気を見せており、大店よりもずっと美味しい料理を出してくれる。

三人でテーブルを占めて、気の置けない雑談。平貝と野菜の塩炒めがなかでもとくに美味しかった。アスパラとねぎ、筍などの白い野菜と白身の平貝のさっぱりした炒め味が合っていた。エビチリとフカひれスープも、良かった。

Img1016641792 女児紅(じょじこう)という紹興酒で、皆口の滑りも佳境に入ったので、ちょっとした勢いで、プロジェクトを立ち上げませんか、といってみた。不意打ちだったので、U先生は酔いが醒めてしまったらしい。

でも、このテーマの追究は、然るべく存在すべきであり、仕方がないなあ、と同意してくれた。プロジェクトの成立は、異なる分野からみて、何かがおかしい、ということがあって、まだそれが何ものなのかわからない、けれども、何かやってみたいと思わせるときに生ずるのだ。

すこし気が長いプロジェクトで、三年計画くらいを目指そうということになった。Eさんもご協力いただけるようである。腰を据えて、じっくりと取り組もうと思う。

奇跡が起こるときには、良い料理が欠かせない。中華街があってよかったとほんとうに思う。U先生の要望で関帝廟を詣でてからきたので、「我ら天に誓、我ら生まれた日は違えども、死すときは同じ日同じ時を願わん」という、関羽の祈りが効いたのだろう。ちょっと牽強付会かもしれないが。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。