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2007/03/08

「遮断」という問題

「分離」とか、「分断」とか、「遮断」とかという問題が、人間関係を見るときには、重要であることは知っているが、いざそれらを活き活きとした形で取り上げようとすると、なかなか良い例が見当たらない。

先日、社会と経済のカンファレンス室で雑談をしていたら、N先生が絶妙の例を教えてくださった。すこし前置きが長くなってしまうが、最後まで書いておこう。

コンパなどで、料理屋さんへ行くと、何回かに1回は経験する事がある。トイレに立っていくと、途中で昔の友人とばったり会ったりする。これで「やあ、やあ」ということになれば、コンパや談論などの非公式なつき合いの効能が発揮されたということになり、談合の積極的な事例となる。

これに対して、わたしたちの住む世界とは異なる世界も存在する、というのがN先生のお話であった。つまり、友人ならよいが、気まずい人、会いたくない人、見られては困る人に限って、会う場合が起こり、これを避けたいという世界も現実には存在する。

N先生がかつて行ったことのある料亭(政治家の集まるところとして有名らしいが)では、談合する部屋は個室になっているそうだ。ということは、当然トイレもそれぞれの個室に付いている。

これは、遮断の好例である。遮断することで、一つの別の特別で親密な世界が作り出されるのだ。ここまでサービスしないと、料亭という名前に値しない、というのはたいへん面白いと思う。

おそらく、ここで話される談合は、このような遮断を必要としており、秘密でなければ話が進まないような種類の関係が、ここで結ばれることになるのだ。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。