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2007/01/03

丘と平地のネットワーク

夜と昼の区別がわからないような正月を過ごしている。今年だけは特例にしてほしい、と思い続けているが、毎年このように続くと、そろそろ「シジュポスの神話」的状況になってきている。そこで、この状態を楽しむことに気持ちを転換しつつあるのが正直なところである。

それで、夜になって起きてくると、塩野七生がNHKで対談を行っていて、中世の都市の成り立ちについて語っているところに、ちょうど出くわした。

ローマ帝国が世界に覇権を広げた時代から、中世に入ってくると、平地に広がっていた世界は混沌としてきて、秩序が乱れ始める。そこで、為政者たちは治安を維持し、安全な生活を送るために丘の上に城を築き始め、その周りに中世の街が作られていくのだそうだ。

平地は常に侵略され、異国の文化との混交を余儀なくされる。平地の街は、保護や安全を諦めなければならない分、開放的で外に向かって絶えず発展していく可能性がある。それに対して、丘の上の街は防御し易く、親密な世界を構築できる。

中世の街の多くは、丘の上に閉鎖的に作られたために、進展に対しては抑制されてきたといえる。けれども、その結果かえって城山独自の文化がそれぞれ形成されたのだと思われる。ここで城山というものの評価が分かれると思われる。

閉鎖的な点を批判すれば、城山は不利である。けれども、多地点的発展を主張するには、うってつけの装置として城山は働く可能性がある。

丘の上の街の小さな親密な世界と、平地の街の大きな発展的な世界との、両方綯い交ぜになった世界として、中世を捉えたいと思う。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。