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2006/12/07

ジャズ喫茶ちぐさ

ジャズ喫茶ちぐさが閉店するという記事が、今日の朝日新聞に載っていた。73年間続いたとのこと。

わたしが学生のころには、数年前に亡くなった方が経営なさっていて、良い意味で、すこしChigusa 敷居の高い店だった。この店に入ると、明確なテイストを持っていることが求められた。

座ってしばらくすると、コーヒーの注文のあと、ジャズのリクエストを一人ひとりに聞きに来るのだ。当時、先端だったホレスシルバーやダラーブランドなどをリクエストすると、ちょっと趣味は違うけれどもという顔はするが、うんうんと頷いてかけてくれるのだった。

やはり、この店に来た以上、一度はリクエストをしなければまずい、という匂いがぷんぷんとしてきて、緊張感あふれる店内だった。喫茶店文化はこのようにして作られるのだという、倫理がはっきりしており、今も当時もかなり珍しい雰囲気を持った店だった。

野毛という飲み屋街が背景にあるということでも、残ってほしい店のひとつだ。以前にも書いたが、酩酊文化と覚醒文化の競り合ったところで、この「ちぐさ」という文化がなりたっていたのだと思う。それも、またひとつ消えるのだ。

注:この写真は今年の暑い夏に、飲み屋へ行く途中通りかかったときに撮ったものだ。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。