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2006/12/18

明治のカフェ

柴田宵曲『明治の話題』ちくま文庫を買う。神奈川大学の講義のあと、生協の書籍部にいつも寄るのだが、今日は単行本が一冊とこの『明治の話題』ともう一冊の文庫本を購入しただけだった。

明治時代の日本人は、急速に西洋のものを移入してきたような印象が強い。たとえば、福沢諭吉の明治時代論では、日本人の新しい物好きを頻繁に取り上げている。

けれども、明治時代論者のなかにも、慎重論の人びとがいて、柴田宵曲もそうではないかと思われる。もちろん、西洋物を多く取り上げてはいることは確かだが、その取り入れ方についてはおっとりしている風を描いている。

相変わらず、コーヒー関連に目がいってしまうのだが、カフェの項では、日本で最初の喫茶店「可否茶館」を描いている。そして、そこでは「時世がすこし早すぎたのだといふことである」と論評して、明治期にはコーヒーは盛んではなかったことを伝えている。

また、福本日南の文章を引いて、大正時代に流行ったカフェとは趣きが異なることを指摘している。明治期には、まだまだ日本人はコーヒーを好きではなかったのだ。

それにしても、明治期にすでに、ベトナムのサイゴンが「東洋のパリ」として、本国のフランスよりも、コーヒーが流行っていたというのは、なるほどと思われる。今日のベトナム・コーヒーはこれほど年季が入っていたのだ。

やはり、一度ベトナムへ行って来ないことには、この研究は始まらない。どこかにスポンサーはいませんか!

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。