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2006/09/22

再び、K市の喫茶店

何といっても、甲府と言えば、「六曜館」だ。という言い方はちょっと気に入らないと地元の人には言われてしまうかもしれないが、忘れていた過去の自分を思い出すような懐かしい、味わいのある店だといえば共感してもらえるだろう。好みとしては、「六曜館」が一番だ。

いまどき喫茶店を営んでいて、苦み系のブレンドを外すことはできないらしい。六曜館のメインも苦み系のブレンドだそうだ。だが、もうひとつの酸味系のブレンドも用意しているところが、細心なところだ。

たとえば、わたしの娘は完全に苦み系の味が好きで、身体に染み込んでいるそうだ。けれども、じつをいえば、やはりわたしは古いタイプの味を忘れられない。浅煎りで酸味を効かせたジャマイカ系の味が好きなのだ。

店主の人柄という要素は、喫茶店にとって大切だ。ロッシュがどれだけ凄いとしても、やはり組織の力を感じてしまう。それに対して、六曜館は個人の力、包容力ある柔軟さだ。Rokuyoukan

もちろん、喫茶店文化では、明らかに親密で濃厚なサービスを行えば良いというわけではない。山崎正和が『社交する人間』で言っているように、親密さがそのまま社交になるわけではない。むしろ「付かず離れず」が、喫茶店世界でも社交の原理なのだ。

喫茶店の店主は、ほどよくおしゃべりでない、と同時に、ほどよく寡黙であってはならない。そして、大切なことだが、珈琲につねに面白さを見いだすくらいでないと勤まらない。

わたしの頼んだブレンドに、どのような豆が使われているのか、質問してみた。すると、生まれてきた子供を自慢するように、喜々として話してくれた。あの酸味は意外な豆からのものであった。また、ついでに、淹れ方も伝授してくださった。ここが、社交性ということについての「趣味の問題」なのだと思われる。

帰りに、200グラム包んでもらったが、おまけだと言って、すこし増量してくれた。さあ、美味しい珈琲を飲んで、明日からの原稿書き仕事に再び励もう。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。