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2006/08/23

シュレッダーによる家庭内リスク

シュレッダーによる子供の指切断事故のニュースが取り上げられていた。

事故の件数は報道の激しさに比べれば、それほど多いものではなかった。それにもかかわらず、なぜこのような事故が大々的に取り上げられるようになったのだろうか。人びとの「安全・安心」意識の高まりなのだろうか。

マスコミのあげる理由は、家庭と職場の境界が曖昧になってきて、事務機器が家庭内に持ち込まれた結果、危険(リスク)が家庭に発生するようになったのだ、というものだ。これまで家庭には設置されることがなかった業務用のシュレッダーが家庭に導入され、事故が増えてきたのだという。

この視点は、面白い。シュレッダー導入が職場と家庭を近づけてしまっていると認識である。テレビ報道の事例として紹介されていた家族の場合でも、家庭内で主婦がパソコンの仕事を行っていて、たしかに家庭が仕事場として機能しているのだ。

近代社会では、機械の導入は、工場に見られるように、専門の生産の場が発達し、職場と家庭を分離させる傾向を示してきている。

これに対して、現代ではむしろ逆で、機械の導入によって、職場と家庭が融合するようになってきたと考えられている。大量生産大量消費の時代には、およそ考えられなかったことであろう。

けれども、そのことがかえって、子供の事故を誘発してしまっているのだ。職場と家庭の融合という考え方は、まだまだ発展途上の考え方で、単に機械化が進めば、家庭で簡単に仕事が出来ますよ、という在宅ワークという思想には、まだまだ、考慮される余地のあるということを示唆しているように思える。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。