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2006/07/20

竈の煙

仁徳天皇が、町の高台から庶民の家に煙の立たないのを見て、3年間税を免除し、3年後にカマドの煙がたくさん立つようになったという話は有名である。

カマドの煙でなくとも、これに類した話は現在でもよく聞くし、自分でも試してみる。たとえば、地方へ出張に行ったときには、タクシーの運転手と雑談をするが、景気の話題は定番のひとつだ。関西では、もうかりまっか、というところだろうか。

最近、気に入っているのは、カマドはカマドでも、もっと大きな、製鉄所の高炉である。

横浜から高速道路の湾岸線をいくと、ベイブリッジを越え、大黒埠頭も過ぎて、扇島に入り、右手に、JFEスティールの東日本製鉄所(旧日本鋼管)がある。コークスの山積みを見る限りでも、大きな工場である。

工場群の遙か彼方に、高炉が二基(だと思うが)立っていて、最近はだいたい一基がフル稼働している。夜も火を落としていないし、その下に広がる圧延工場(だと思われるが)にも、煌々と灯が点っている。060720_192402

この製鉄所の「カマド」によれば、庶民の暮らしはかなり良さそうだといえる。もっとも、鉄の場合には、近年の中国需要の増大に寄るところが大きいのだが。

(右の写真では、明かりが強調されてしまって、そびえ立つ高炉は背景に退いてしまっているのが残念である。)

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。