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2006/07/06

世界と自分の関係イメージ

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「雨上がりの夜に、散歩」

雨が上がって、からりとした夜には、
沈み込んでいた心が急に軽くなった気がする。

疲れきった一日と思われた日だったが、
ごみを置きに行ったついでに、散歩に出れば、
目が覚めて、夜の精気が急に美味しく感ずる。

ふと見上げると、
30年前には細く頼りなかったクスノキたちも、
20メートルほどの枝木を冠にいただいて、
森の連続のような、どっしりとした並木道を築いている。

クスノキの大きな世界に包まれると、
自分の小ささも、素直に認めたくなってくる。
そのような軽くなった弱気の自分を見出して、しみじみとする。

夜のとばりを破って、自動車が瞬間通り抜け、
またもや、現在が過去と交わろうとせずに、走りすぎていく。
過去を裏切ろうとする将来がみえてしまう。

そのことを、まだ世界の誰も理解しないでいる。
電柱には、子供クリニックの宣伝が見られる。
隣には、セレモニーホールの広告が貼られている。

空には、葉っぱたちがお構いなしにそよいでいる。
その夜空の明るさが、最後になってどのような結末を
わたしたちへもたらすのか。

歩いている自分と、不確実なままの世界とが
相変わらず同時進行している。
樹の下では、クチナシの白い香りが強く漂っている。

Kuchinashi

by Moto Shimon   
W.H.オーデンの記憶のために

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。