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2006/07/22

自分自身の自己組織化

今日は、試験期間中であるにもかかわらず、積極的な学生たちがいて、卒業研究のゼミをやりたいと言う。求めに応じて、神奈川学習センターで開催する。

ところが、じっさいには試験のために講義室はすべて使われていて、空いている部屋は、パソコン実習室しかなかった。それでも、場所が確保できたのはラッキーである。

卒業研究でこの時期はたいへん重要である。卒業研究には、いくつかの段階が履修生共通に見られる。じっさいには数ヶ月前から準備が始まっているが、4月から先行研究の展望・検討を始めて、そろそろ早い人は夏休みごろに「草稿」を書き始める段階に入る。

文献・資料や統計などの整理が出来つつある実感を持ち、そろそろ頭のなかで、自分の文章が一人歩きする段階が訪れる。経済学者W.ロストウは、このような飛躍の時期のことを、飛行機の比喩で表現して「離陸」と名付けた。

自分のなかに、これまでの自分とは異なる自分が育ってくる。その異なる自分がこれまでの自分にはなかったような性格を、新たに付け加えるかの如くの段階が、卒業研究には存在する。

さらに、異なる自分が紡ぎ出す文章がどんどん膨らんできて、言葉が止まらないほどの状態になってくる。もしこのような状態がなく、先行研究のメモだけが空しく貯まるだけならば、どこかがおかしいのである。したがって、この時期はまた、停滞している人にとっては、むしろ反省の時期でもある。

などと、傍目八目的なことを言ってはいるが、これらの状態はすべて自分に返ってくることは言うまでもない。さて、夏休みに向かって、自分の仕事も反省してみよう。そして、自分のなかの「異なる自分」との対話を大切にしようと思う。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。