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2006/05/15

ホイトウ

ホイトウという中華の料理屋さんが放送大学の近くに あって、いつもランチを食べにいく。

店のなかは、天井がむき出しの倉庫風のつくりになっていて、内側の白壁が広くて、木の枠で作られた細長い窓が印象的な、開放感ある部屋になっている。

12時になると、近くの事務所の人びとや家族連が二、三人ずつテーブルを占めてしまう。もし行くならば、13時過ぎくらいが空いていて、お勧めの時間帯である。

そのころには、ディナーの下拵えが始まっている。シュシュと圧力釜の蒸気の音が聞こえたり、トントンと野菜を切る音がしたりして、静かな日常が流れている。

考えてみれば、ここに来る人たちには、共通の食趣味があって、集まってきているのだ。もちろん、はじめての客がいないわけではないが、大方は依然来て美味しかったと思った人が、通ってきている。このように、みんなが二度、三度来ても良いと思われる「美味しさ」というのは、易しいようでたいへん難しいのではないかと思われる。

見ていると、客の注文する料理はさまざまである。ときには、出来不出来があるだろうが、それでも押しなべて共通の味を提供しているから、常連客がついているのだと思う。

味が人と人を媒介する店である。

P.S. ホイトウとは、画像でわかるように、元来難しい「漢字」を書くのだが、この漢字がどこで使われたものなのか、今度調べてみたい。日本語の意味は、禅宗で僧堂以外で食事をすることと辞書には出ていて、「他人に食事を施すこと」「物乞いをすること」などが続いて載っている。そういえば、種田山頭火の俳句にも、この言葉が使われていたなあ。

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  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。