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2006/05/01

世代間のつながり

今日は神奈川大学で講義。

帰りに、昨年度わたしの講義を採った、同年配と思われる学生が話しかけてきた。かれは文章作りに慣れているので、昨年度の試験でも優秀な成績を修めた。最近は、どの大学でも、このように社会人が多く聴講に来ている。

問題は大学での教師と学生間の「世代の問題」である。社会人の学生は、世代の同じであるわたしと話しやすいらしい。ここでは、かつて起きることのなかった問題が生じている。

世代が認識されるようになると、その社会は危機である、と哲学者オルテガは言ったことがある。たしかに世代間に問題が生じていて、この問題を解決するために、世代を超えた対話が生じなければ、その社会は末期的な症状を見せていることになる。

もしかれがほかの世代とのコミュニケーションがとれないためにわたしに話しかけてきたのであれば、かなり問題である。

その意味では、世代を超えた入学者のいる大学は、時代の危機をそれなりに反映している大学であり、一歩踏み出している。問題をあぶり出しているだけでも、社会に貢献している。

けれども、世代間のコミュニケーションがないと言うことは、社会の分断現象を反映しているのであり、現代の「危機」を表していると言ってよいだろう。今日見られる多くの問題のなかで、失業やニートなどの問題が若年層でおこっており、世代問題として認識されるようになっている。

もっとも、今日会ったかれの場合は、杞憂である。いつも若い学生と話しているし、相談にも乗ってあげているらしい。世代をやすやすと超えている。娘たちの世代とのコミュニケーションに難を感じているわたしにとって、羨ましいかぎりである。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。