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2006/05/24

再び、喫茶店ネットワーク

昨日言い忘れたことがあった。

帰りにもうひとつ、喫茶店に寄った。京都に本店のある「イノダ・コーヒ」である。札幌の駅ビル大丸の7階にあって、駅前広場が一望の下にあり、大通りをずっと見通せる位置を占めている。

丸く曲線を描いた大窓が、赤い色調の部屋を明るく見せている。

何に興味があったかと言えば、京都の喫茶店が札幌に支店を持つ理由である。なぜ進出したかが知りたかったのだ。

結論は簡単である。じつは、札幌には、イノダのコーヒ店のような趣の喫茶店はないということである。

それは喫茶店に入るとすぐわかった。女性客を中心にして、観光客などがおしゃべりの長時間できる空間を、この喫茶店は提供している。

札幌の喫茶店は、ひとことで言えば、ワイルドなのである。京都の繊細な雰囲気とはまったく異なるのだ。

したがって、札幌では、ワイルド以外を求める客層にとって、「イノダのコーヒ」は絶対必要なのである。このコーヒ店は、札幌の喫茶店にはない趣味を狙うことで成功が保証されていた。

それからおそらく、もうひとつの理由がある。それは京都を本店として、支店群のネットワーク化という狙いである。ネットワーク消費という考え方があるが、その事例として、喫茶店のチェーン化を挙げることができる。そして、まさにこの「イノダのコーヒ」例は、その最も典型的な例である。京都のなかで根付いた喫茶店文化が、各地の喫茶店とつながることで、さらにコーヒー需要を多様に喚起することが可能である。

喫茶店がその地域に「強いネットワーク」を形成すると同時に、全国に支店を展開して、いわば「弱いネットワーク」を通じて、日本全体の喫茶店のネットワークをつないでいるのだ。

先日もコーヒーの話をさせていただいた帰りに、女性の学生の方から、次のような指摘を受けた。わたしは喫茶店には会話を楽しみに行くのであって、コーヒーを飲みには行きません。札幌では、このような線を「イノダ」は狙っている、あるいは自然とそういう風になった、ということがわかり、またまた喫茶店文化の奥の深さを実感した次第である。

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